ひろみやま。かつては十貫山に続く山で、公園や料亭のある景勝地でしたが、今ではすっかり高台の住宅地と化しています。川の対岸の中学生たちがクラブ活動のトレーニングで登った急坂も失われ、山頂にあったチョッと怪しげな料亭も看板等しか残されていません。舗装された道しかありませんが、登ってみると川べりの比高30m程の高台なので、眺望は頗る優れたものがあります。丸山にあった丸山公園、この広見公園と二つながら失われてしまいましたが、自然を楽しむだけの公園があってもいいように思います。

麓には、いろいろ見物(みもの)があります。まずは、こういってしまっては失礼に当りますが、ヘンな神社。八坂神社と書かれ、小谷(こやつ)、広見、鶴巻の集落の方々の尊崇を集めているのでしょうが、プレハブ造りの社殿に変わった形の鳥居が直接つけられた風体は興味をそそられます。近付いてみるまで神社とは思えませんでした。
次は、菱町かるたに“ 黒川に、朱い欄干弁天橋”とうたわれた弁天橋。たもとの弁天様の石祠は寛延2(1749)年に水害除け祈願のために広見村の人びとが祀ったということです。弁天橋は小さな橋ですが、赤い欄干に金色の擬寶珠(ぎぼし)を備え、なかなかの風格です。ここは日光か。
そして、大正15年につくられた桃太郎地蔵。来歴は不明ですが、入口に道標が立っています。道標に従って斜面を登ってゆくと竹やぶの前に小さなお地蔵様が座ってらっしゃいます。お地蔵様はお一人で、お供のイヌ、サル、キジは見当たりませんでした。

アプローチを書くまでもありませんが、桐生市本町5丁目の信号を東に進みます。桐生川を渡る橋が広見橋。正面が広見山です。T字路を右に曲がるとプレハブの八坂神社。神社の隣に駐車できます。左に曲がると弁天橋、そのまま進むと桐生坂西線の菱小学校の信号に出ます。弁天橋の手前、山側に桃太郎地蔵の道標があります。

2008/11/26 桃太郎地蔵に関して、山師hisiyamaさんから早速ご教示をいただきました。鬼が島にいった桃太郎ではなくて、この地で殺害された芸者の桃太郎さんです。桃太郎さんの霊を慰めるために地元の方が置かれたということです。

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