あまだけやま/あたごやま。鷹林寺(ようりんじ)の奥に聳える愛宕山は標高は400mに満たない山ですが、桐生田沼線から急に立ち上がった凛々しい姿を見ることができます。山頂にある愛宕神社は山麓の六軒の家が年番でお祭をしていて、山頂に至る道も割とはっきりつけられています。地元では“わたごさま”と呼んでいますが、「やまの町 桐生」では地名をつけて二渡(ふたわたり)愛宕山としておきます。山腹の火打沢から燧石が採れたことから火打山と呼ばれるようになったと桐生市地名考に書かれています。火伏の神様と火の元が一緒になってしまいました。天竹山は、桐生市地名考に山の上が崩壊して急傾斜している山腹と書かれています。忍山の山に入ります。天竹山から残馬山に向かう尾根は忍山山脈と呼ばれています。天竹山から鷹林寺まで尾根通しに歩けそうですが、鷹林寺の裏は猛烈な薮なので往路を戻りました。

出発地の鷹林寺は桐生田沼線を北上し、梅田ダムへの上り道の直前のY字路の手前を左折した突き当たりにあります。入口には北向観音と書かれた看板が立てられています。無住のお寺ですが駐車場は完備しています。
愛宕山への取り付きはかなり乱暴です。駐車場の脇を流れる沢のフェンスにつけられた扉を開き、水路に降ります。山側の三段の石積みを登ると水源涵養保安林の標柱の先に踏み跡があります。フェンスの扉は開いたら必ず閉めておきましょう。
広い尾根にジグザグにつけられた踏み跡を辿ると、炭焼釜の跡を過ぎ、杉の林が雑木に変わり、尾根が狭くなった辺りに立派な石積みがあります。切り出した木の貯木所でもあったのでしょうか。石積みから先は木材運搬用の橇道が尾根に絡んで登っています。歩きやすい方を選んで登ってゆくと、愛宕神社の立派な石祠のある山頂に。地元の人の話では、以前は富士山も望めたそうです。年番のお祭を怠った年には、火事があったという言い伝えが残っています。霊験あらたかです。隣に疱瘡神の祠。山頂は宴会のできる広さです。県道を走る車がすぐ下に見おろせます。

愛宕山から下った鞍部には山神様の石祠。橇道のような道が登ってきています。鞍部から登ると残馬山に続く尾根に突き上げます(新ハイキング413号に岡田敏夫さんの鷹林寺〜残馬山〜座間峠の記事あり)。左に進むと天竹山。雑木のピークですが、木の枝越しに鳴神山が望めます。
天竹山から尾根を下ると四等三角点、点名猿石(せれし)。標高391.8m、標高を書いたRKさんのプレートがありました。尾根を下って周回もできそうですが。

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