いしやま。伊勢崎市下触(しもふれい)町にある石山観音万徳寺の本堂裏にある大岩の集積です。境内の横にも頂部に八海山大明神を祀った大岩の集積がありますが、規模の大きい本堂裏の岩塊を石山に。境内横の岩の集合は八海山ということで。
万徳寺は馬の石山観音として有名だそうですが、参道の入口には石の鳥居(お寺なのに)があります。鳥居を潜ると不思議な風景が拡がります。一見の価値ありです。
山門に掲示されている沿革によると石山観音寺のはじまりは、嵯峨天皇の御代に弘法大師が巡錫の折、この地で聖観音像を一夜で厳頭に刻み、三、七、二十一日の修法を行なったことからということだそうです。

国道50号線を前橋方面に向かい、東大室町の信号で左折、右側の山(丘)が既に石山です。石の鳥居が見えてきますので、駐車は鳥居の脇の駐車場に。
墓地を抜けた右の高台に立派な山門があり、左手の大岩の集積が目に入ります。大岩の頂部には八海山が祀られ、沿革を書いた文章にもそこが八海山であると書かれています。軽く八海山に登り、本堂にお参りして、裏手の石山に。
石山は文字通り石の山です。麓や中腹に数多の神や仏がちりばめられています。神様や仏様に失礼の無いように登るのに一苦労。頂部の一段下に立っている石碑は青面金剛、石頂に登っても周囲の樹木に遮られて展望はありません。このお寺と山の持つ不思議な雰囲気は筆舌に尽くしがたいものがあります。お寺のご宗旨もはかりかねます。箱詰めの庚申塔もはじめてみました。鐘楼には釣り鐘がなく、境内の中央に巨大な銅鑼を吊るした銅鑼堂?があったり。で、いながら猥雑な雰囲気はなく、落ち着ける境内です。諸賢の一見を乞います。あ、末筆ながらこの石山も赤城山の流れ山ということを申し上げて紹介の言葉といたします。

2009/1/18 年に一度のご開帳 秘仏の聖観音に参拝。
一月十八日の初観音のご縁日に弘法大師が刻んだ聖観音ご開帳があるというネット情報で、石山観音にお参りにいってきました。だるま市も開かれていました。だるまを売るお店と、関西名物のたこ焼きの屋台がそれぞれ一軒出ているほどのにぎわいでした。
煥乎堂発行の「上州の神と仏(近藤義雄著)」に“巨石群の前のお堂には馬頭観音が安置されてあり、昔から武士や農民の信仰が深く、北関東一の馬頭観音などと自慢もしている。〈中略〉毎年正月十八日が初観音の大祭日で、この日には馬の安全を祈って相当遠方からも参詣があり、戦前には二〇〇〇頭ほどの馬の参詣があったという。伝承によると、石山観音は下触字本郷にあった満徳寺の上の寺と呼ばれ、延暦年間(七九〇頃)通尊法師によって開山されたという。”とあります。
馬頭観音のお寺だったんだ。本堂あいてたのに、聖観音しか見てこなかった。あらら。
「上州の神と仏」には石の大鳥居は天明四(一七八四)年に村の博労たちが奉納したと書かれています。なんで鳥居だったんだろう。
下の写真の右を見ていただくと岩をお堂が囲っています。この岩の先端に写真左と中の聖観世音が彫刻されています。

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