2007年12月15日の広報きりゅうに“群馬県東部県民局では、快適な自然環境を守り、森林の公益機能を高めるため、平成14年から菱町四丁目(金葛かなくず)の市有林約54ヘクタールの整備を進め、市民が憩える場も加えてこのたび完成しました。この市有林は、菱町二・四・五丁目を結ぶ稜線を中心に広がり、尾根からは市内が一望できます。区域内では、スギ、ヒノキなどの針葉樹や、ヤマザクラ、コナラ、クリなどの広葉樹が混在し、さまざまな動植物を観察できます。また、歩道が7キロメートルにわたって整備され、菱(観音山)ハイキングコースや、仙人ヶ岳への登山道にも接続しています。ぜひご利用ください。”という記事が掲載されました。

桐生川左岸の市道沿いにも入口の看板が設置され、看板の奥には広い駐車場も作られました。最初に削り取られた観音山から雨降山への縦走路(概念図の緑の道)のありようは、けして是とするものではありませんが、それに連絡する遊歩道に幾つか歩くに足るものがあります。曲坂峠の項で冒頭の記事と共に西の入林道からの道を紹介しました。
今回は西側に設けられた駐車場から寝釈迦のおわす一色山への登路を紹介します。
駐車場からチャチな木の橋をわたり遊歩道に入ります。わたるとすぐ、右に尾根への道が分れますが、沢沿いに直進。案内板には、滝があると書いてあるのですが、沢には道を刻む際に切り取られた樹木が捨てられていて、滝って書くよりも沢を掃除する方が先だろうってなもんです。水流があればここが滝になるかなという場所はあるのですが。案内板で過度の期待を抱くのは禁物です。道そのものは勾配がそれほどきつくなく、あるきやすく、一色山を目指すハイカーにはうれしいかも知れません。登って行くと、尾根を回ってきた道と合流して観音山から一色山への稜線に出ます。
一色山から尾根を辿り(これがとんでもないしろものですが)東屋(展望の丘!と名付けられています)の手前で谷に下る道(ちょっと良い)にはいると、立派なお散歩コースになります。

そもそも生活環境保全林整備事業とは『森林による緑豊かな生活環境・自然環境の保全・創出を図るための森林の総合的な整備等を行う事業』だそうで、言葉と現実の乖離には唖然とせざるを得ません。ついこの間まで、駐車場になった辺りから尾根に取り付いて一色山まで薮山歩きができたのですが、その薄い踏み跡は完全に生活環境保全林の中に埋もれてしまいました。嘸や、お釈迦様でもこんなことになるとは。

inserted by FC2 system