にしこうじんやま。八王子丘陵の一番西寄りの高みです。この辺り一帯が荒神山と呼ばれていて、西荒神山は便宜上付けた名前です。何人か地元の方に尋ねてみたのですが、あれも荒神山だろうとのお話でした。登山道は西荒神山のピークを巻いて付けられています。山頂も薮に覆われてパッとしません。ここから西北に伸びている尾根に付けられた踏み跡が気になって下ってみると、なかなか味のある尾根でした。八王子丘陵の尾根や谷は迷いこんでみると様子の良いものがあるので驚かされます。小さい山域なので、一回の山行で、幾つもの素敵な尾根や谷を味わうことができます。この尾根は最後が残念でした。造成地の上に出てしまい、汚い薮のかぶった側溝を無理やり通らないと文明社会に生還できませんでした。

荒神山友の会の皆さん、山頂に東屋など建てないで、ここら辺にも目を向けていただけると訪れる人が増えると思うのですが。楚巒山楽会では荒神山山頂の東屋に反対するキャンペーンを展開しています。かの深田久弥氏も“山の頂上だけは、安らかに清らかに、そっと残しておきたい。何も置きたくない。小さな石の祠一つで充分である。(山頂の憩い)”といっています。私は決して深田久弥の徒ではないし、百名山に与するものではありませんが、このご意見には賛同します。山頂に欲しいものは山名板、石祠などで十分だと思っています。深田氏は山名板も不要だといっていますが。“その山の名を心に刻んで登ってきたものに、なぜ頂上に山の名が必要だろう”と。山名板は必要ですよね。山名板がついていないとどこか区別のつかないようなモッサリした山に登っている我々にとっては。

笠懸荒神山の項で、笠懸小学校の脇から登ったと書きました。以前は小さな川があって、川を跨いで山に取付いたのですが、取り付き点が山崩れ防止用の壁になってしまいました。八王子丘陵屈指の急登コースで面白かったのですが。
荒神山友の会さんが拓いてくれた荒神山西登山口はお勧めの道です。荒神山が茶臼山への途次に踏んでいくピークでなく、この山だけ登っても楽しい山になりました。

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