さいのかわら。尊敬する山の先達のカテゴリに初侵入です。袈裟丸山は好きな山域の一つで、年に何度か訪れます。静かな山が好きなので、ツツジ、シャクナゲの時期を外して登っています。雨のやや強い日に折場登山口から賽の河原までを傘をさして往復して来ました。駐車場には、われわれ(楚巒山楽会会長と私)の車だけでした。

国道122号線を日光方面に向い、沢入の先で袈裟丸山、寝釈迦の道標に従って左折、林道西山小中線に入ります。林道は舗装されてはいますが、結構な落石があり、車の運転には注意が必要です。
塔の沢登山口の分岐を過ぎ、広い駐車場と東屋、トイレ、水場のある折場登山口で下車。林道に垂れている尾根を登ります。取り付きは自然木の階段です。土が流されてかなり歩き難く、例によって階段の両サイドに踏み跡ができています。分岐があり、健脚向け、一般向けと書かれていますが、尾根を直登するか、ジグザグに登るかの違いで、ことさら健脚を誇らなくても。
沢にはさまれた細い樹林帯の尾根の急登です。道標(現在、倒れていますが)のある小ピークに立つと眼下に広々とした笹の原が拡がります。このコースで大のお気に入りの場所です。晴れていれば音をたてて流れるヒライデ沢が一望できます。深く切れ込んだ沢が尾根まで駆け上がる景色は圧巻です。笹の原を進んで行くと右の沢には灰皿を備えた水場もあり、喫煙者に厳しい昨今、ありがたさに涙が出ます。笹原とその先の樹林帯も決して緩くはない登りですが、気持ち良く歩ける道です。沢の景色を眺めながらゆっくり登りたいものです。樹林帯の途中にはベンチを備えた休憩コーナーもあり、足弱者にはうれしいコースです。
ベンチから登って、ほぼ平坦な尾根道になると展望櫓のあるつつじ平はじきです。山を登っていて、平坦な尾根歩きほど素敵なものはありません。平というだけあって、開けていますが、櫓がどうにも不粋です。展望櫓。いいたいことは多々あるのですが、ここでは措いておきます。櫓作るんだったら、階段道を何とかしろよ。あ、いっちゃった。

つつじ平から一端樹林帯に入って、出た所が賽の河原です。賽の河原と弘法大師(空海)の伝説について知りたい人は、増田宏さんの本「袈裟丸山」に書いてありますので、是非お買い求めください。買ってまで知りたくないという人は、こちら。筆者は同じく増田宏さんです。

で、賽の河原。ここは雨か霧の日に訪れると、それらしい雰囲気のある場所です。夕暮れもいいのですが、今では避難小屋に泊ることもなくなったので、ザワザワっとくる感じにひたることはなかなか。賽の河原から少し塔の沢方面に下ると、新しい避難小屋が立っています。清潔です。
雨の日に避難小屋で外の雨を眺めながら、お弁当を使うのは昔を思い出して心が弾みます。雨の日はテントや山小屋で昼からお酒を飲んでゴロゴロしていたものです。新しい小屋の隣に残されている昔の小屋を取り壊すことなく残して欲しいものです。

おまけ

左の写真 2008年8月17日の写真です。本編には、道標がきっちり立っている写真を使用しました。倒れていると雰囲気が出ないので。
中の写真 つつじ平の案内板。以前は避難小屋が“非難小屋”になっていました。その後“避難小屋”に直されたのですが、その横の“非難し”が、いまだにそのままです。ただしくは勿論“避難し”です。活字に携わっているので、いく度に気になります。
右の写真 小中大滝。もちろん、小中にある大滝です。地元民でない当会会長は小・中・大の三本の滝があると思っていたそうです。なるほど。

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