しもびしはちまんやま。もしかしたら高尾山かも知れませんが。ガッチン山の別名ではありません。桐生市の現形図では八幡山の表記がガッチン山の上にありますが、これは地名を表わす明朝体で記されています。山の名前はゴシック体で書かれています。周囲に書かれている谷山、八幡山下、田福庵など全て地名です。八幡山がこの山の名前だとしたらゴシック体で書かれているはずです。登山口の案内板にもガッチン山は尾根を外れた位置に書かれています。尾根上にはハッキリと八幡山と表記されています。
いつからガッチン山=八幡山と思い込んでしまったのでしょうか。かくいう、私もつい一週間前まで八幡山がいつしかガッチン山と呼ばれるようなったと思っていました。桐生周辺の山歩きのバイブルともいうべき、桐生タイムス社発行の「野山歩きのヒント」の菱・観音山からガッチン山への記事中の写真のキャプションに“岩ゴツゴツと露出したがッチン山(観音山)”と書かれています。

というわけで、八幡山とガッチン山は別のものだとお分かりいただけた方だけ、八幡山のご案内をします。坂西桐生線を進み菱小学校先の信号を左折。細い道を進むと左に毘沙門堂と庚申塔があります。そこを左折。お車は、ここまで来る前にどこか適当なところに捨ててこられると良いと思います(泉龍院の駐車場あたり)。菱の小学校と中学校に挟まれた細い道を進み、T字路を右折。菱町かるたの脇を通り山道に。油断していると中学校のフェンスの中から吹き矢で狙われています。サンダルで山に登ろうなどとする胡乱な族は特に要注意です。この坂道からの夜景は桐生一だそうです。
綺麗な山道を進んでいくと道が二股に分れます。この上が百庚申、山腹を左に行くと文昌次から観音山に向かうハイキングコースに出ます。様々なサイズの石に刻まれた庚申塔が山の斜面に建てられています。石祠も二つ。なんの神様かは判別できません。この辺りから頂上にかけてかなりのビューポイントでもあります。大きな木のそびえる頂上はなかなかの趣。頂上から直進していくとやはり文昌寺から観音山のコースに。頂上手前で右から来る道を下ってゆくと菱中学校の東に出ます。
菱中学校から登り菱中学校に下るコースを紹介しましたが、この辺り踏み跡が錯綜しているので、適当な道を選んで迷ってみるのも面白いでしょう。八幡山もそんな歩き方をしていて偶然発見しました。発見したといっても、私のうまれるず〜っと、ず〜っと前からここにこの山は存在しているので、気付かなかった私が……。

で、 ガッチン山ですが、道標に月陳と書かれているのですが、これは無理でしょう。曰く因縁があってこの文字となっているのなら、申し訳ないのですが、宛て字としてもあまり出来の良くないような。岩の山で遊んだ良い子たちが擬音でガッチン、ガッチンと言い出したと素直にとるのがいいのでは。

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