その1 ホームセンターでデジタルカメラを買う

古くからあるカメラの安売り量販店が、名前はそのままで、家電の安売り量販店に変身している今日この頃、皆様いかがお過ごしでしょうか。懐かしい思い出として、こんなことが脳裏を過ることがあるでしょうか。“銀塩のカメラをカメラ屋さんで最後に購入したのはいつだったか。フィルムを写真屋さんで『現像』、焼き付けしたのはいつの頃だったか。”
浜松駅前のカメラの太陽堂は健在なのでしょうか。中古のトプコンユニ、ユニレックスとレンズ一式を揃えた思い出があります。最後にカメラ屋さんで購入したおニューはミノルタX1モーター。いまだに所有していますが、これからフィルムを通す機会が出てくるかどうか。フィルム自体いつまで供給されるのでしょうか。
お仕事で、写真を撮る機会が多かったもので、しばらく前まで銀塩カメラのシャッターを切っていたように思っていたのですが、山歩きを再開してからこちら、完璧にデジタルカメラに移行していたことに気付き愕然としました。市内からもカメラ屋さん、写真館が消えていきます。名のあるカメラメーカーが銀塩カメラばかりでなく、デジタルカメラの市場からも撤退しています。

はじめて自分のカメラを持ったのは小学校の何年生の頃だったでしょうか。多分お年玉をためて、近所のカメラ屋さんでAnny-10(左の写真)というボルタ判のカメラを1600円で購入しました。HOEI INDUSTRIAL CO(豊栄産業)製で、レンズがHOEI LENS f1:8、F=5cm単玉、固定焦点、シャッターはギロチン式ですが、シャッタースピードはバルブとインスタントの2段階、絞りも8と11、シャッターロックとフラッシュの接点を装備し、フィルムはノブ巻き上げ、裏紙つきの12枚撮りで赤窓であわせます。茶色の固い皮ケースがついていました。オモカメ(おもちゃカメラ、面白カメラ)に分類されるものですが、カメラ屋さんの店頭に立派にかざられていました。写真のAnny-10は右上に付いていた飾りのノブが欠損しています。フィルムは白黒しかありませんでしたが、カラーフィルムが高価なこともあって、あまり気にならず、修学旅行、家族旅行などで活躍しました。もちろん白黒しか撮れないカメラがあるはずもなく、裏紙とフィルムさえ工夫すれば今でも立派にカラー写真の撮れるカメラです。現像、焼き付けに苦労しそうですが。レンズは簡単に取り外し可能で、カメラに淫していた頃は一眼レフに装着して味のある描写を楽しみました。

おニューのカメラを買うのはカメラ屋さんでと、親の言い付けを一生懸命守り抜いてきましたが、何台目かのデジタルカメラを家電量販店で購入してからは、カメラの量販店からも足が遠のき、ホームセンターでデジタルカメラを購入することに何の躊躇いもない人間になり果ててしまいました。
リサイクルショップや骨董品屋さんでカメラを購入することはあっても、ホームセンターはカメラを買うところではないと、こどもの頃に受けた親の薫陶を大事にしてきましたが、愛用してきたオリンパスのCAMEDIA C-40ZOOM(家電量販店で購入)が故障してしまい、左の日立リビングサプライ製HDC-303Xをホームセンターで見かけたのがカメラ人生転落の始まりでした。デジタルカメラしか使わなくなったことが転落の第一歩でしたが。在庫限り6980円に目が眩み、家電製品やエレベーターを作っている会社の系列の製品を購入していました。ライカのレンズが着いているので、ず〜と気になっていた大手家電メーカーのデジタルカメラもCMのキャラクターが変わったことだし、これからは購入対象になりそうです。
買うときに、さすがに画素数(300万画素)だけはチェックしたのですが、撮像素子がCMOSセンサーで、光学式ファインダーが無いということは箱を開けて現物を見てマニュアルを読むまで知りませんでした。
撮像素子がCCDでないことなど(付属の動物型クリーナーがオモカメにおしやっているのかも)で、このカメラもトイカメラ(オモカメ)の仲間にしている方もいるようですが、それは可哀想です。確かに撮った写真にはピントの甘さがありますが、デジタルなんだし、シャッター押すだけのアレなんですから。固定焦点なんですから。大きさと軽さがいいです。電池入れた状態で120g〜130g位。名刺より小さい。厚さは2cmほど。山歩きのお供には邪魔にならない大きさです。
ファインダーがないのが、ちょっとアレですね。昔、ノーファインダーで街を切り取るなんてぇのが流行って、あたしなんかもあれしましたけど、液晶を見て写真を撮るなんざぁ、あんまり形のいいもんじゃありません。ま、山で一人で使う分にはお目溢し願って。『やまの町 桐生』でちょいとピントの甘い写真をご覧になったらこいつで撮ったということで。写りはもしかしたら上のAnny-10の方が良かったりして。

桐生の山はこちらへ     トップへ戻る
inserted by FC2 system