袈裟丸山(増田宏著)について

もう、皆さんはお読みになっただろうか、“やまの町 桐生”で著者ご本人が紹介している左の本だが。けっこう凄かったので、改めて紹介する。
帯に書かれているように「ケサマル」全貌が記録されている。袈裟丸山に登らんとする方、袈裟丸山に興味のある方、是非ご一読をお薦めする。
ほとんど一気に読んでしまったが、一登山者(増田宏)にこれだけの本を書かせる袈裟丸山とは一体。また袈裟丸山といういわば、地味な山域に執着する筆者の情熱とは一体。というようなことを考えさせられてしまった。

この項は、著者に敬意を表して、私の素の部分で書いている。これは研究書である。著者の長年にわたる袈裟丸山研究の成果がこの一冊に凝縮されている。奥付の著者略歴に理系の大学出身と書かれている。学生時代に培った研究者の姿勢でこの本は書かれているように思う。想像して欲しい。山域の研究書、あるいはガイドブックとして袈裟丸山が成り立つかどうか。私は決して袈裟丸山を貶めているのではない。私の好きな山ベスト10には必ず入る山である。私も著者に遅れること数年、建て替えられる前の賽の河原避難小屋脇にツエルトを張り、一泊二日の行程で袈裟丸山に登って以来、何度も歩いている。今でこそ、ツツジの季節、紅葉の季節には、ツアー客を載せたバスが駐車場に停まるようになったが、著者が歩き始めた30年程前、私が登った20数年前には、ほとんど登山者の姿を見ることはなかった。そんな山の研究書を出してしまう著者の情熱には脱帽するしかない。

本を手にとっていただければわかることだが、目次を抜粋してみる。
一 袈裟丸山の自然と歴史  二 登山コース  三 流域の自然・民俗・史跡
四 袈裟丸山の渓谷  五 積雪期・残雪期の袈裟丸山  六 その他(山名考証、主な動植物など)
一般にはあまり知られていない登山コースも、数多く書かれているが、著者は半ば以上のページを費やして袈裟丸山流域の自然・民俗・史跡に触れている。しっかりとしたフィールドワークに基づいて書かれている。

あとがきに書かれていたが、小学生の時に父君から著者はケサマルの名を教えられたという。小学生時代の著者に袈裟丸山の名を教えられる父親を持ったことは著者の幸せであろう。

今までは電話注文だけであったが、“やまの町 桐生”のページから楚巒山楽会代表幹事宛にメールをいただければ、著者に取次がせて頂く。

以下、自然に溢れる袈裟丸山の写真


楚巒山楽会代表幹事

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