この夏の心秘かな課題として「ひとりでちょっと高い山へ行く」と「代表幹事の地図作りをマスターする」の2点をなんとかクリアしたいと思っていました。いつもいつも文句を言いながらの金葛遊歩道や、八王子丘陵ばかり歩いていてはなかなか記事が増えません。代表幹事の更新のスピードには勿論追いつけないにせよ、少しは新記事を書いておかないと、きっと後々笑われてしまいます。
HPをつらつら眺めていたら、OH!鈴ヶ岳がまだリンクされてない!そうだ赤城に行こう。きっと大洞からのルートを書きたくて残していたのでしょうが、しかもこのHPはひとつひとつの山を丁寧に紹介したいというコンセプトではありますが、なんてったって初めてのおつかいならぬ初めてのひとりでの1000m超え。ここは大目に見てもらって新坂平からの往復でご勘弁願いたい。

と、先週このルートを予定していたのがつまらぬ事で延期となり、いざ今日こそと勇んで前橋に着いてみれば、あらら予定の直行バスは先週まで。10分ほど前に乗り継ぎのバスは出発し、次に赤城に着くには3時間も時間を潰さないと駄目らしい。確かに真夏や花季や紅葉時期をはずれた赤城山は人もそんなに行かないのかもしれませんが、人が少ないからこそ歩きたい。バスの案内所で途方に暮れていると、いるんですね、代行と同じような不運な星のもとに(単にドジともいいますが)生まれた方々。頭割りすりゃバス代くらいで行けるほどの人数が集まってタクシーに。怪我の功名というのかしら、新坂平に予定より早く着くことができました。とはいえ他の皆さんは黒檜山らしく、新坂平で降りたのは代行のみ。

2人で歩いていた時とは違い、ひとりだと休憩しなくなります。なかなか休むきっかけがない。新調の熊鈴が思ったよりうるさいのに、代表幹事がぶつぶつ言っていた熊の出没看板(姥子山参照)がたくさん残っていて外すのは心細い。ちりちり賑やかに、足と気分にまかせて歩きます。
うっすらガスのかかる道はさすが家族向けのコースだけあってわかり易い。自分で道を確認しながら歩いてみると前方が少し明るくなっている所や、階段状の木の根を目で追って次の足場を考えることや、木に印されているペンキや結ばれた紐を見つけるのも、結構嬉しいものだという新たな経験。
笹の道や薄をかき分ける道などゆったりと変化する鍬柄山までに先を歩いていたご夫婦に追いつき、もうすでに戻って来る方々と会う。妙(な年)齢の女ひとりなので色々気遣っていただけるのはちょいと面映いけど、赤城あたりじゃ奇異かもしれない。いいもん、そんなに(みんなが思うほど)寂しくないもん。
鍬柄山頂は、本日はガスだらけで展望はなし。

さて鍬柄山からが代行には初のコース。これが勿体ないくらいどんどん下ります。登る時は助けになった木の根は、滑るので要注意。急で足場の悪い下りに弱い代行は一気にペースが落ちます。
ようやく降りきったコルは深山へ下る道と大洞への下りとの広々した四つ辻です。残念ながら峠名はありませんが、長ささえ耐えられればなかなか歩き易そうな道で、そのうちにという意欲だけはそそられる。
ここからの登りはいくつかの岩場が。誰もいないのにひえ〜とかおっととかぐふっとか呟いて、あっという間に汚れた軍手で汗を拭いつつ、時間は短いながらも、急登です。さすがに岳の名を持つだけあって、途中たぶん石像のなれの果てと思われる石や覺明霧神の碑(今日にはとても似合ってる)など修行の山らしい雰囲気。妖しい茸もいくつも見つけました。けれどもそれらを楽しむより、菱の低山でも下りで迷って大騒ぎしてしまう代行は帰りのコースを覚えるのに必死です。ヘンゼルとグレーテルではありませんが、所々に赤い印をつけます。(実際は要所要所にロープがあったりペンキがあったりで思ったより大丈夫。自分が結んだものは回収しながら降りました)
途中一か所だけ岩場の、晴れていれば怖いだろうほど切り立った所で大休止。ガスのおかげで下が見えないので空中に足を放り出して風に吹かれます。この心細さと快さの程よい融合はなかなか甘露。こんな時間や、なだらかな笹道を歩いている時間は永遠に続いて欲しいような気がします。

頂上は周りが茂っているのでたぶん晴れていてもそんなに展望はないと思われますが、大きな碑が三つ並んで立派な石祠もあり、それなりに厳か。思わず手を合わせます。道は静かでしたが、後から続々と人が来て狭い頂上は賑やかになり、三角点と標識を写真に収め、水分補給だけで早々に帰路につきます。途中霧が少し晴れて地蔵岳や高天原、大沼界隈が望めて眺めは挽回。
休みを上手に取らなかったので岩場の下りで脹脛が痙攣するわ、足の裏の筋が幾度も攣るわ、おまけに帰りのバスの時刻を確認せずに長時間待つというドジの上塗りはあったものの、まずは及第点の山行でありました。
今回の一首。

鈴鳴らし巡礼のやうに山をゆく 野太き蚯蚓踏んづけてゆく

で、課題のひとつはとりあえずクリアですが、地図は相変わらず作れず掲載のものは不完全。ペースを掴むという新たな課題も増えました。
果たしてこれからどうなりますことやら、さて。

代表幹事代行



9/10
 霧のめっぽういい日だったので、聞いたことがないと思いながら覺明碑を霧の神さまなんて書いたら、早速桐生みどりさんから間違いのご指摘。修行の山にある霊神碑でたぶん覺明講の方が建てたのだろうとのこと。代行の早とちりです。正しくは「覺明霊神碑」(でもね、不思議な文字で、ぱっと見「霧」に見えなくもないでしょ、と言い訳の写真)

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