旧田沼町の山も幾つか紹介してきましたが、田沼町本町の本町を冠した愛宕山です。名前のとおり、町中にあるといってもいい山です。
田沼町(現佐野市田沼)も、すっかり様変わりして、国道293号線沿いには郊外型の大規模商業施設や飲食店が立ち並んでいます。田沼町といったら唐沢山でしょうが、“やまの町 桐生”では、例によって、メジャーな山は書く予定がありません。多田の「中村富士」は、そのうち書く予定ではあります。東武線の多田駅前の賀茂別雷神社の上の山には名前があるのでしょうか。

293号線を鹿沼方面に向かい、田沼上町の信号の先で総合運動場入口の道標に従って左折します。稍細い道の突き当たりの両側が総合運動場、愛宕山は正面です。駐車場は左側。
山裾の道を左に取り、すぐ右折して、案内板の横の道を進みます。赤い鳥居を潜ると長い石段の登りになります。公園内の道なので石段から枝別れしていく道も、歩き易そうでそそられます。振り返ると結構高度を稼いだような、見下ろす街並の感じがなかなかです。
新しめの拝殿のある愛宕神社のある平地はまだ山頂ではありません。左に回りこむと、庚申塔の乱立している斜面があります。ひときわ大きな石碑には千庚申と刻まれています。庚申塔の親玉です。梵天もたてられています。斜面の上の薮が愛宕山の山頂。山頂から北に伸びる踏み跡はしっかりしていて、いつか辿りたいものです。

頂上から下り、左の道を行きます。すぐに舗装道になり、右に展望やぐら。登ってみるとお子さまサイズで頭が天井についてしまいます。その先、左手に現れる木の階段を登ったところがベンチのあるピーク。明るく開けたピークで、三角点のあるピークよりも快適です。このコースで一番くつろげる場所です。

舗装道に戻り、下っていくと、また左に階段があります。(見落とさないように)やや、薮っぽい道ですが、抜けていくと風の吹き渡る快適な尾根道。遠回りにはなりますが、この道はお勧めです。やや残念なことに、ゴールは本光寺の墓地上部です。本光寺から山裾にそって歩いていくと総合運動場手前の愛宕神社が見えてきます。蛙ながれの池という石碑がたっていましたが、蛙が流れる池とはどんなものだったのでしょう。石碑だけで池は見当たりませんでした。

上に本光寺の墓地上部でゴールがやや残念と書きました。残念でなく、ややとしたのは、本光寺には筆者の御本家と総本家の墓地があるのです。ご先祖様にご挨拶したのはいうまでもないことですが、本光寺の先祖代々の墓には、数えきれない程お参りしています。山に興味を持ってからは、いく度に、墓地の上に伸びている踏み跡が気になっていました。黒服に黒ネクタイでは、歩く訳にはいきません。今回、はからずも、ご幼少の砌から抱いていた願望を満たすことができました。ご先祖様のお導きかしら。
2007年の10月は、桐生の山のことを書かないうちに過ぎてしまいました。

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