平成11年桐生市発行のハイキングガイド「自然最前線」に駒見山の名前があります。標高は814.4mになっています。「結構高い山じゃん」程度の認識でした。当時は、まだ桐生の山への関心が低く、この山に登ることになるとは思いもよりませんでした。その後、改心して、できるだけ桐生の山に登ってみようと、1万分の1桐生市の現形図(白図)を購入し、駒見山の標高をチェックしたのですが、814.4mです。
新ハイキング誌や群馬の山300などで、駒見山の名前を目にしたのですが、どれも標高は600mと書かれていて、大間々町(みどり市)の小平からのコース紹介でした。雑誌などで紹介されている駒見山と自然最前線に書かれた駒見山とは違う山ではないかと思っていました。標高も200m違うし。で、大間々町の現形図を入手して、駒見山の標高をチェックすると614.4mです。6千分の1桐生市現形図が手に入り、調べてみると614.4mになっています。「な〜んだ、校正モレか」。公の機関が発行したものですから、誤りの無いように願います。標高は814.4mでも、600mでもなく614.4mであると。ここまでは無理のない話ということでよろしいかと。

ここからが本題ですが、今まで駒見山だと思っていた山が実は駒見山ではなかったと、本当の駒見山は北にある685.8mのピークであるというお話です。今の所、傍証としてやや弱いものがあるだけで、直接に証明するものはありません。桐生市の現形図が作成される以前に685.8mのピークに桐生倶楽部歩く会による駒見山の山名プレートがかかっていたという目撃談です。ただ実際に登ってみると広々とした山頂といい、西側にある三つの石祠といい、さぞかし名のある山であろうと思わせるものがあります。
『山田郡誌』では駒見山583.9mとだけ記されています。これは現在高倉山と言い習わされている三角点地の標高です。三等三角点「小平」です。

概念図の大きさで、マエフリが長くなります。下半分は後ほど三本木山で使用する予定です。小平からは実際歩いていないので、比較はできませんが、桐生(川内)側から駒見峠へは判りやすい道です。橋場のバス停から左の舗装路を入り空き地の奥の作業道を進みます。右に山神宮の赤い鳥居を見て進んで行き、分岐で左に。作業道の終点で右の踏み跡に入りますが、沢沿いに登っていくと広々とした窪地の中を通り峠まで導かれます。作業道を離れると、趣のある峠道です。峠名を記した小さなプレートがあります。空き地に駐車できると良いのですが、試してはいません。
尾根の峠ですから、十字路です。直進の小平方面にも判りやすい踏み跡が付いていました。右折すると駒見山方面、左折は石尊山や三本木山へ。
やや急登ですが、雑木の気持ちの良い尾根を外さずに登ってゆくと614.4mの駒見山です。小平から駒見峠を経ずにこの尾根に出るガイドがあるのですが、分れ道は気がつきませんでした。
山頂には公的機関が立てたような標高600mと書かれた標柱があります。割れてます。ただし、標高は614.4mということでお願いしたい。展望もなくあまりパッとしない山頂です。嫌いじゃないですけど。
楚巒山楽会的にはこの駒見山で十分なのですが、685.8mの駒見山へ向かいます。向かって正解でした。袈裟丸山、赤城山の展望。赤地(あかっち)への下降点を過ぎる頃からの草付きの美しい尾根。緑の葉からこぼれてくる陽射し、赤芝山脈の素晴らしさをしみじみと味わえます。これまた急登で山頂に辿り着くのですが、614.4mの山頂より広々として落ち着ける山頂です。西のピークには三つの石祠がひっそりと佇んでいます。この山を目標に登ってくるのも悪くないと思います。

まだ未踏査ですが、赤城神社から石尊山に至る尾根道。赤地から稜線への道。面白いかも。気が向いたら歩いてみたい。県道駒形大間々線は、歩くことが苦にならない道なのでいろいろな周回コースができそうです。

2008/1/14 685.8mの駒見山を赤地山(あかっちやま)に訂正。桐生市地名考に赤地は赤地山の略とありました。赤地の小字の上ですし。


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