三峰山(みつみねさん)です。山田郡誌に“鳴神山脈中、鳴神山に次ぐ高峯にして海抜八〇八米、梅田村上久方・高澤の二大字と川内村大字山田舊名久木とに跨り、その形状宛も野牛の臥したるが如し。山貌秩父の三峯に似たるを以て夙に三峯の稱ありしが、文政年間武蔵國秩父郡三峯神社を分祀し愈その名を確保するに至れり、山上に文政十年記銘の梵鐘を懸く。”とあります。三峯神社のご祭神は伊弉諾尊(いざなぎのみこと)/伊弉册尊(いざなみのみこと)です。梵鐘は、それはそれは綺麗な音色だったそうですが、第二次世界大戦で供出させられ、失われたままです。

鳴神山脈のピークの紹介も、小倉峠/小倉山から北上して、大形山まで達しました。金沢峠はかすめたので、三峰山への登路としては、川内の大崩か、梅田の栗生山からの薄い踏み跡を考えていたのですが、激坂のぼるさんの「電撃!激坂調査隊が行く」の“金沢峠の巻”で兼宮(かねのみや)神社の脇に三峯山参道と刻まれた石柱があることを知り、参道じゃしょうがない、金沢峠まで歩いて登るか、ということになりました。
じつはこの峠道、登ったことはありません。下ったことは何度もあるので、よく知っている道だと思い込んでいたのですが、三峯山参道の石柱にも気付かなかったし、山神宮の大きな石祠があることも知りませんでした。

桐生田沼線を進み、観音橋のバス停の手前で左折。兼宮神社の脇の広い路肩に駐車できます。普段はこの先まで車で入るのですが、参道の石柱から潔く歩きました。コースの案内板には金沢峠まで、2.5km/50分と書かれています。取り返しのつかないことをしようとしているのかも知れない。尾根の先端を回りこむと山側に石段があり、奥に大きな山神宮の石祠が鎮座しています。一対の石灯籠もあり、立派なものです。車だと、気付かないよなぁ。集落を抜けるまで、結構長い。サンダルじゃないと歩く気しない。
集落が終わる辺りにまた、金沢峠2.5km/50分の道標。今まで歩いてきたのは何だったんだ。車両進入禁止の道路標識の近くでまた山側に石祠を発見。二つある。地元の方によると、両方山神様。ここからは歩いて登っていたのですが、これも気付きませんでした。小広い平地から道はコンクリートの簡易舗装に変わります。下から歩いてくるとここまでで、十分に歩いた気分です。
激坂さんが“笑っちゃうほどの激坂”と書いていらっしゃいますが、ほとんど真直ぐ伸びる急な作業道は金沢峠の直下まで続いています。もう二度と歩いて登らない。

金沢峠からは、明るい尾根歩きで、熊さんの手で、破壊しつくされた道標など、観光名所を通過し、三度ほど、登りだぁと呟くと、行く手に石祠が現われます。三峰神社の石祠なので、ご参拝としては、ここで良いのかも。石祠のすぐ先が三峰山の頂上です。大山祇命の石像と愛宕神社の石祠、山名の書かれた標柱があります。頂上から右の踏み跡を下って行くと奥の院があるそうですが、この先未整備の貼り紙がありました。

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