みょうじんさん。桐生市梅田町皆沢(かいざわ)に正一位八幡宮、通称皆沢八幡宮というお宮があります。御祭神は足利又太郎忠綱。赤雪山の項で書いた非運の武将です。赤雪山を血に染めて、なお皆沢に逃れ明神山に潜んだところ、追っ手に見つかり射殺(いころ)されました。冤罪だったことが判明して、余程祟りが恐ろしかったのか、正一位を贈られています。失礼な言い方ですが、山の中の小さな社に正一位はただ事ではありません。相当祟りがあったのでしょう。祟る神様は霊験も灼かとか、しっかりと手を合せておきます。

明神山は山の師、略して山師のhisiyamaさんに教えて頂き、序でのことにご案内も願いました。山師は無論悪い意味ではありません。
桐生田沼線を田沼方面に向かい、皆沢八幡宮の前に駐車。皆沢川の対岸が明神山です。山といっても、桐生市基準点のある420mのピークから降りてきた尾根の末端の岩場です。橋を渡り、車止めの先から斜面に取付き、尾根を目指します。良い子はあまり登らない急な斜面です。曲がったことの嫌いなhisiyamaさんは、それはそれは、一直線に尾根を目指します。私はジグザグに登り、hisiyamaさんの到達地点よりかなり下の尾根に辿り着きました。痩せた尾根を下ってゆくと明神山と呼ばれる岩場です。薮ですが、眺めはそれなりにあります。

帰りは、下山というより、これからが本格的な登りで尾根を辿り、桐生市基準点No116の設置された420mのピークを経由して皆沢運動公園の手前の舗装道路に降りました。
桐生市基準点のピークからは広い道に引き込まれ易いですが、薮臭い踏み跡を一本松の方向に下ってゆくと、高戸山に続く尾根道に出ます。左に舗装道が見える辺りで、明瞭な踏み跡があり、下ってゆくと道はややあやふやですが、すぐにブルが切り開いた道が出てきます。ま、舗装道が見えているのですが。

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