大岩山(おおいわやま)は剣ケ峯の別名があり、周辺の尾根からもそれと指させるほど顕著なピークですが、縦走の途次で踏まれるだけで、単独で登られることが少ない山です。

山麓にある足利サンフィールドの近くから登る道(男坂、女坂)は、大岩毘沙門天への参道で、大岩山の登山道ではないという理屈を捏ねて毘沙門天周辺の駐車場に車を置きます。「全行程急坂、岩場注意」の男坂は歩いてみたいところですが。
毘沙門天は、北方守護の神、或いは軍神として知られています。思い浮かぶのは、奥州平泉、坂上田村麻呂の兜跋毘沙門天、越後の虎上杉謙信の旗印『毘』。『毘』は毘沙門天の『毘』ですね。戦国時代の正義の使徒でした。

駐車場から車道を辿っても展望広場に至りますが、折角ですから石段を登り、毘沙門天にご挨拶してから、境内の右手にある山道に入ります。些か暗い道ですが、すぐに展望広場に出ます。歩き出したばかりで、展望広場といわれて、寛ぐほどのことはないので、道標に従って山道に進みます。植林帯の中、展望はあまりなく、ついつい足が早まりますが、静かな山道は、じっくりと歩きたいものです。ここも関東ふれあいの道なので、例の歩き難い階段があります。階段さえなければふれあいの道はよい道なのに。階段の幅と高さは、どこから導かれたのでしょうか。

知らなかった。関東ふれあいの道って、踏破すると認定証とバッジを貰えるんだ。認定して貰うには、定められた地点での申請する本人の写りこんだ証拠写真が必要で、この“みち”は“歴史のまちを望むみち”で、写真撮影のポイントは行道山淨因寺の清心亭、すごい。正式には“みち”ってのも知らなかった。蒙が啓かれてしまった。

寄り道しましたが、静かな道を、ゆっくり歩いて、道が稍、急になると、じきに頂上です。頂上には、傾いたテーブルとベンチ、小さな山名標。葉の落ちた頃なら、まあまあの展望。ゆっくりできるよい頂上です。

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