別項で、でんべい山〜北森山までのコースを書いていますので、この項はその続き、小友沢の頭までです。仙人ケ岳まではまだまだ着けません。

森山口や雷電山から北森山までとしても北森山からの素晴らしい展望で十分、十二分に満足できるコースです。

先日、筆者と楚巒山楽会の会長とでんべい山から登って一色展望台の先に森山山頂の標示があるのを見つけ、「こんなとこにピークがあった、善哉、善哉」と寛いでいると、通りかかった地元の紳士(はい、見るからに紳士でした。海軍軍人のようには見えませんでした)が、「おにいさん、おにいさん、この先にもっと良いところがあるよ。3分でいけるよ。富士山も見えるよ」と教えてくれました。よく聞く言葉だぞ。「しゃちょう、しゃちょう、いい娘いるよ。こっち、こっち」

よいところは、けっこう遠くに見え、それでも甘い言葉に騙されて半信半疑で行ってみると(会長と筆者は、何度もボッタクリ関係でひどい目にあっていたのです)よい所でした。赤城山、榛名山、浅間山、八ヶ岳、遠くには富士山も浮かんでいます。「こっ、これは、桐生で一番じゃないか」「標高400m以下のクラスでは桐生一だね」

すみません。世間が狭いもので、群馬一、北関東一等とはなかなか言えないもので。(今年の会の目標は根本山登頂だし)標高400m以下のクラスではここら辺で一番という結論に達しました。森山展望台という看板が建っていたのですが、こんなよい所が、森山展望台じゃ寂しいな。何か名前を付けよう、楚巒山楽会の会長と代表幹事が揃っているんだから、ということで緊急会議が開催され、当たり障りのない所で「北森山(仮称)」が決定されました。同時に「ウチのナニもつけようよ」ということになり、上意は下達され、山名標設置の成果を確認するために、再訪したところ、すみれ山好き会さんの森山展望台の看板がはずされ、ウチのナニが残されていました。「いいのかな」「いいんじゃないの」で、この項では仮称をはずした北森山で続けます。

うわあ、プロローグがこんなに長くなってしまった。ここからが山歩きです。紹介もマキが入っていますので、泉龍院からにさせていただきます。泉龍院から黒川ダム方面に進むと雷電山登山口の案内板の手前に国有地の看板の建つ空き地があります。ここら辺道が広くなっていますので、駐車させていただきます。徒歩で黒川ダム方面に向かうと道が大きく二股に別れている所に出ます。渡る橋は東西橋。右、東の入りに進みます。右手黒川の流れの対岸に、縦書きの森山口の指導標を見つけたら、そこが登山口です。森山橋を渡ってすぐ右折、民家の庭先を通るようにして、沢筋に付けられた登山道を行きます。カタクリ群生地の分岐を過ぎ、植林帯を抜けると展望台の指導標があり、丸太の橋を渡ります。斜面を雷電山と森山の鞍部を目指して登ります。ところどころ壊れていますが、斜面をジグザグに登る足元は、地元の方が整備した木の階段です。左に一色展望台はすぐ。補助ロープが張られていますが。しっかりと踏み固められた登山道はロープを使わなくても大丈夫。

一色展望台からの眺めも捨てがたいものがあり、その先の尾根から樹間越しの富士山の展望もありますが、先を急ぎます。森山の山頂で寛いでいる場合でもありません。森山から、右植林帯、左雑木の道を下って登り着いた所が北森山。晴れていたら絶景をお楽しみください。

ここから先は急に寂しくなります。道は変わらず快適で、迷う所はないのですが、木々に巻かれたテープが少なくなり、尾根の行く通り東に向かって歩き、また北に向かうのですが、指導標は北に向かう所に一つ(ここだけ山腹の巻道)だけ、テープはなくなり、レジ袋が一つ二つ。山火事注意の登りのあるピークが、すみれさんの案内図にある鷹ノ巣沢の頭でしょうか。岩混じりの道を登ったこんなに立派なピークに山名標がないのは寂しいものです。雑木に赤松混じりの尾根はずっと快適です。次の指導標は小友沢の頭の手前のチョッとしたコブの上にありました。この辺りに下降点を示す指導標があるはずなのですが、見当たりませんでした。

最後の一ふんばりで小友沢の頭を踏み、ちいさな山名標(秀逸、一丁目で一番高い山とありました。好きですねぇ、こういうのって)と四等三角点に挨拶してチョッとしたコブの下でお昼にした時に事件は起こりました。なんと風に飛ばされていたのでしょうか、下降点の指導標を見つけてしまったのです。ここは地図には載らないようなチョッとしたコブと小友沢の頭との鞍部になっています。これから下山する身にとっては、下降点はコルにあってほしい。でも踏み跡がみつからない。下降点はここではないのかも。
指導標のあるチョッとしたコブからちいさな尾根が派生しています。そこに木で作った階段らしきものを発見してしました。2段あります。
ここを登って来た人はこの指導標を見て、左仙人ケ岳、右一色展望台ということか。じゃこれは上から落ちてきたんだ。と勝手に判断して下りはじめました。2段の階段の下には踏み跡といえるものはなく、ただただ急な斜面が続いています。「戻ろうぜ」という筆者の呼びかけにも答えず、会長はどんどん降りて行きます。ほってもおけないので、筆者も下って行くと、何と会長が戻ってきます。会長は道はないようだ。といいますが、道が有ろうと無かろうと筆者は登り返すのは嫌なので、トップを交代して下って行きました。これが遭難への第一歩です。良い子は決して真似しないでください。自信がなかったり、不安だったりしたら、先ず戻る。山の鉄則です。小尾根の末端で、右と左に孫尾根が派生しています。方角からいったら左なので、先ず左に少し降りてみましたが、ここは僕達の力量では無理と判断し、すぐに登り返しました。(エライ)右に派生している尾根のとっかかりに、なんと筆者は枝に付いたテープを発見してしまいました。その先の幹に巻かれたテープを会長が発見。こちらを下ります。下って行くと左に孫々尾根が麓に伸びているのを発見しました。テープの付いた木もあります。尾根を乗り換えると、会長が今度は林道が下に有るのを見つけました。筆者は尾根から離れて斜面にある木の幹にテープを発見しました。しばらく急斜面を秘技“幹抱きつき下り”を連発して下って行くと足裏がここは道かもと言い出し、目前には舗装された林道。小沢をまたいで右に行くと山神宮の鳥居。生還の瞬間でした。赤と黄のテープが巻き付いた幹もあり、正しくなくなくはないルートだったのかな。でもこんな所に印をつけても、誰が登るんだ。もし登るという奇特な人がいたら、山神宮の手前沢の向こう側に壊れた保安林の看板がありました。筆者は決してオススメしていません。そのうち登るかも知れませんが。

下山後、ネットで調べたら、オッサンの山旅さんの記録で、“一色山を緩く下りきると分岐点には一部破損された指導標が取り付けられていた。”下降点の先の記述は我々の体験と同じようだったので、下降点の指導標はコブではなく、コルにあったものだと判明しました。どちらにせよ気軽に歩ける道ではありません。
オッサンの山旅さんの一色山は小友沢の頭のことでしょう。点名は一色ですが、秀逸の山名標に従いました。あ、一丁目とは桐生市菱町一丁目のことです。

次回は、オッサンの山旅さんの通ったルートで下山しようと思います。

2006/6/26 hisiyamaさんから鷹ノ巣沢は鷹ノ巣沢の頭とは、相当隔たりがあるので穏当でないというご指摘がありました。撤回します。ただ、名前があって然るべきピークなので、何かよい名前があったらおしらせください。

2006/12/7 文中の四等三角点の点名は一色でした。一色山は三等三角点の点名でいわゆる中尾根の基準点のことです。

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