桐生山野研究会

上田沢の裏山 東山・三峰山・雷電山

桐生みどり 

 黒保根町上田沢地区には栗生山を除き山歩きの対象になる山はないが、地域の信仰対象になっている裏山がいくつかある。沢入川と田沢川の合流点北側にある東山(678b)、中組集落の北にある三峰山(630b)、荻ノ窪集落の西にある雷電山(604b)である。
 東山(ひがしやま)
 東山は県道根利八木原大間々線を行き、林道田沢小中線分岐のすぐ先から東に登り、一段高い所にある東原(ひがしっぱら)集落に着く。如意輪観音を刻んだ百番供養塔から沢伝いに作業道を登る。終点から明瞭な山道が東側の尾根伝いに山頂まで通じている。途中に石祠を見て登り詰めると山頂である。山頂には十二様の石祠があり、「寛延元戊辰(1748)年□廿十日」と記されている。山頂まで標高差230b、30〜40分で着く。
 三峰山(みつみねやま)
 県道の対岸にある中組集落のバス停脇から作業道を登り、堰堤を越えて終点まで辿る。周囲は杉林で途中の沢の窪に樹齢数百年の大杉があると聞いたが、見付からなかった。この沢は筍が採れることからたけのこ窪と呼ばれ、三峰山にはたけのこ山の別名がある。この先は道がなく、杉林の斜面を登って山頂の西側の稜線に出る。稜線伝いに行くとまもなく山頂である。山頂には十二様の石祠があり、「安永二巳(1773)十一月吉日」と記されている。東に派生する尾根を下るとバス停のすぐ裏に出る。下り立った墓地には桐生市指定文化財の三郎兵衛地蔵がある。山頂まで標高差200b、30〜40分で着く。
 雷電山(らいでんやま)
 荻ノ窪集落の最も上の人家から庭先を横切って西に山道を辿ると杉並木に出る。ここから北に山道を登る。参道らしいはっきりした道形が山頂まで続いている。山頂近くの岩上に石祠が祀られており、「延享三(1746)年中田松嶋」と記されている。ここから山頂はすぐである。雷電社の石祠が祀られており、「宝暦三(1753)年九月 惣村中」と記されている。尾根伝いに707b三角点方面に向かってすぐ隣の突起まで行ったが、祭祀物は何もなく、灌木の藪が邪魔なので往路を戻った。山頂まで標高差百b、15分ほどで着く。

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上田沢東原の百番供養塔 三峰山山頂の十二様石祠
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雷電山 雷電山頂下の石祠
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雷電山頂 栗生山(湧丸から)

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