桐生山野研究会

小黒檜山

桐生みどり 

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 小黒檜山(1644b)は赤城の主要な峰としては唯一道のない山である。赤城北面道路からも道は付いておらず、黒檜山から稜線伝いに行くしかない。以前12月上旬に黒檜山から小黒檜山を経て旧郡界尾根を袈裟丸山方面に抜けた記録と先日3月上旬に赤城北面道路を経て周回した記録を紹介する。

 黒檜山から小黒檜山、小出屋峠
 黒檜山頂の北端までは道があるが、そこから先は全く道がない。山頂北端の祠付近から笹に覆われた急斜面を標高差二百bを下って鞍部に着く。鞍 部から小さい突起を越えて登り返し、黒檜山頂から1時間で電波反射板の建つ小黒檜山頂に着いた。
 鞍部に戻って旧郡界尾根を目指す。旧郡界は今では桐生と沼田の境界になっている。尾根の分岐が判り難くて間違えたが、地図で地形を確認しながら軌道修正した。膝までの笹を分けて尾根を行く。この尾根には根利の集落から赤城山に登る道が付いていたが、現在はその痕跡すらない。この尾根は地図で見るほど単純ではなく、注意していないと尾根から外れてしまう。笹の中でいつの間にか尾根を外れて何回か軌道修正した。少しうんざりし始めた頃、車道に下り立った。この道は送電線基地に通じている道で、ここから15分ほどで県道沼田大間々線の小出屋峠に着いた。ここが赤城と袈裟丸の最低鞍部であり、小黒檜山から2時間半ほどで着いた。

 積雪期の小黒檜山
 1月下旬にIさんと小黒檜山に行こうとして黒檜山北端まで行ったが、小黒檜方面から強風が吹き付けているうえ雪が深いので弱気になって断念した。3月になったので再びIさんと小黒檜山を目指した。黒檜山の登りは踏み固められて凍結しているのでアイゼンがほしかったが、アイゼンなしでも支障なかった。黒檜山頂北端から意外なことに小黒檜に向かって古い踏跡が付いていた。雪は締まっており、輪かんを着けて一気に標高差二百bを下って小黒檜山との鞍部に出た。鞍部付近から小黒檜まではカラマツ林なので展望はよくない。郡界尾根の分岐を過ぎて小黒檜の登りにかかると展望が開け、下ってきた黒檜山が大きく聳えている。雪稜を少し登ると電波反射板の建つ小黒檜山頂にあっけなく着いた。山頂からの北面は武尊山と白銀の谷川連峰が美しい。
 途中まで戻って鞍部手前の突起から西の斜面を下った。日が高くなって雪が腐ってきたので輪かんを着けていても膝下まで沈む。傾斜は急であるが、樹林の中なので危険は感じない。標高差三百bを下って赤城北面道路に出た。北面道路を辿り、最後に斜面を直登して稜線を乗り越し、黒檜山登山口に戻った。尾根を乗り越す部分は根利から赤城山に通じていた旧道であり、はっきりした道形が残っている。冬から春に一気に季節が変わって暖かくなり、春本番の陽気になった。

 登山口(1時間15分)黒檜山頂部北端(50分)小黒檜山(45分)赤城北面道路(1時間登山口)


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黒檜山頂から小黒檜山 黒檜山頂から小黒檜山と武尊山遠望
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小黒檜の登り 小黒檜山頂から武尊山方面
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小黒檜から北面道路への下り 北面道路から小黒檜山

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