桐生山野研究会

続 桐生地域百山 大間々編

桐生みどり 


 これまでの記述に漏れていた裏山と丘について追加する。

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機神山の石祠
 機神山(小平)
 機神山(360b)は小平親水公園の南にある裏山で、谷田地区で白滝神社から勧請した機神様の石宮を山頂に祀った。祭神は白滝姫で8月7日(昔は旧暦7月7日)が祭日だった。石宮には「谷田組中世話人□七 安永八巳亥天(1779)八月吉祥日」と記載されている。機織りが盛んな頃は地区で祀っていたが、今では忘れ去られてしまった。八ツ田のバス停留所から橋を渡って取り付くが、道は整備されておらず、藪に覆われている。
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蚕影明神の社
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蚕影山石祠
 蚕影山(塩原)
 蚕影山(370b)は塩原地区の裏山で、塩原浄水場上の配水池から尾根伝いに登ると十分ほどで山頂に着く。山頂にある木のお宮は朽ち果てているが、中に石祠が祀られている。右の石祠には「蚕影大明神 惣村中 安永二(1773)巳歳十月吉日」と記されている。左は雷電様で蚕影大明神を祀る以前は雷電山と呼ばれたという。昔は4月23日に例祭を行っていたが、廃れて今では訪れる人はいない。道は藪に覆われている。
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天狗山
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天狗山の石祠
 天狗山(塩原)
 天狗山(440b)は塩原調整池の奥にある岩山である。塩原調整池から林道を入り、二俣から右の沢に入ってすぐ沢を渡って右の尾根伝いに登ると岩場があり、上に石祠2基が並んでいる。左の大きい石祠には「大天狗 文政十丁亥(1827)三月十二日 本郷惣氏子中」と記されている。右の小さい石祠(小天狗)には「松嶋二郎兵衛」と記されている。4月23日に梵天を上げる祭祀が行われていたが、現在では訪れる人はいない。道は整備されておらず、藪に覆われている。
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大芝山の石尊宮
 大芝山(塩原・浅原)
 大芝山(480b)は塩沢と浅原の境界にある山で、天狗山と峰続きになっている。塩沢と浅原を結ぶ林道の峠から尾根伝いに登り、三角点を越えた先に石祠が祀られている。中央の石祠は屋根が落ちているが、「石尊宮 願主 須永□左衛門」と記載されている。右(大天狗)には「文化六己巳(1809)天」、左には「小天狗 九月二十二日」と記載されている。石尊宮が祀られているが、石尊山とは呼んでいない。道は整備されておらず、途中藪が深い。
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石尊山の石尊宮
 石尊山(下神梅)
 石尊山(320b)は下神梅西側の裏山で尾根の途中に石尊宮の石祠があり、石尊様と呼ばれている。右の石祠(大天狗)には「天明四(1784)九月吉日 施主新井十蔵」、中央(石尊宮)の石祠には「天明四天九月吉日 施主村中」、左(小天狗)の石祠には「願主金子氏」と記載されている。8月17日が祭日で石尊権現祭りと呼ばれた。日が暮れると地区の男の子が松明を持って木の枝に立てたろうそくに火を灯しながら登った。子供の数が少なくなって数年前からやらなくなった。道が荒廃して判り難く、辿るのは難しいかもしれない。

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