愛宕山です。幾つ目の愛宕山でしょうか。愛宕信仰は江戸中期以降、修験者によって広められたそうですが、桐生は愛宕山だらけです。修験者が働き者だったのか、愛宕様が霊験灼かだったのか。おまけに雷電山も付いています。雷電山も散在しています。
笹久保山の項の概念図に山頂に鳥居のマークと標高のみの山を記載しました。桐生市の現形図に書かれていたものをそのまま載せたのですが、ずっと気になっていました。ところが、灯台もと暗しとはこのことで、楚巒山楽会作成の『桐生の山索引ページ』には、ちゃ〜んと書かれているんですねぇ。いつからあったんだろう。
愛宕山、雷電山、越路(峠)を経て山神山、御蔵山に連なります。山田川と名久木川に削られ残った山塊です。山神山脈とでもいえそうな。少しく小さいですが。

東の高源寺からの登路もあるということですが、西側の白瀧神社から登ります。県道駒形大間々線を駒形方面に向かうと右側に白瀧神社と書かれたちょっと派手目のゲートがあります。ゲートを潜り、山田川を白滝橋で渡ると左に鳥居。駐車場はそのまま進み山の手前の広いスペース。白瀧神社には降臨石と呼ばれる大きな岩があったり、樹齢700年の大ケヤキがありますので、話のタネにどうぞ。

駐車場の先の山道を登ります。最初だけ広い道で、すぐに心細い道になります。登りやすそうな道が左に上がっていきますが、直進です。心の眼で見れば、微かに付いている道が。また使ってしまいますが、ゆる〜い九十九折れの道(こういうの日本語ではなんというのでしょう)が刻まれてはいるのですが、ケモノ道が錯綜しているので、なかなか。見当としては愛宕山と西のピークの鞍部を目指します。道を外れ樹間をぬって登ってもヤブコギにはなりません。道に出たら道を、発見できなくても鞍部まで登ればまあまあはっきりとした道になります。西のピークとの鞍部からは稍はっきりとした道が雷電山との鞍部まで続いています。鞍部から登り返すと愛宕神社の石祠のある頂上です。石祠には愛宕社、明和の年号が刻まれています。このピークが愛宕山で間違いないでしょう。大きな石祠は高源寺の方を向いていますので、高源寺からの尾根が表参道かも知れません。
愛宕山から北に向かう尾根にはきれいに踏み跡が付いています。なかなかの尾根歩きです。鞍部からゆる〜く登っていくと石祠のあるピーク。残念なことに何の神様か、判然としませんでした。雷電様とわかれば、雷電山で問題解決なのに。とりあえず、それらしい石祠があったので雷電山ということで。

この先、山神山脈を歩いて越路や山神山を特定すれば、位置関係から雷電山もはっきりします。今のところ判断材料は、“雷電山は山神山と愛宕山の中間にあって、別名が中山、頂上に雷電神社が祀られいていて、上(かみ)の鞍部に越路と呼ばれる峠がある。(桐生市地名考より)”だけですので、実際に歩いてみないと。桐生市地名考には“うぼみ岩”という項目もありました。それによると“愛宕山の東腹にある大岩。ウブスナ(産土)神の宿る岩”とあります。高源寺から登る時に発見できれば良いのですが。

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