菅塩峠は桐生市の広沢町と太田市の菅塩町を結ぶ峠です。激坂のぼるさんが、電撃!激坂調査隊が行くの第3回で“地図では一本道のはずが…なかなかたどり着けない菅塩峠の迷宮”と書いていらっしゃいますが、私も菅塩側から一度、広沢側からも一度登ってみて、たどり着けませんでした。
二万五千分の一の桐生図幅では桐生市広沢町の賀茂神社と法楽寺の先から1.5mから3m未満の道が菅塩沼まで伸びています。現在の菅塩峠から菅塩沼まではその通りですが、広沢町からの道は荒れています。薮に覆われ、作業道や踏み跡が錯綜していてわかりにくい道になっています。この項では賀茂神社から菅塩峠、菅塩沼から菅塩峠、菅塩峠から天王山を経て菅塩沼に下るという三つのコースを紹介します。この項は唐沢山から籾山峠までの八王子丘陵東部縦走路の一環として随分前から準備していたのですが、八王子丘陵西部のような概念図が書けないので、とりあえず唐沢山と一緒にアップしてしまいます。

国道50号線の側道に賀茂神社入口の石柱があります。駐車スペースは賀茂神社の前にコースの案内板があり、そこが賀茂神社の駐車場です。賀茂神社と法楽寺の間の舗装道を沢にそって進みます。舗装が切れ、道が二股になります。左に進み木の橋で沢を渡ります。しばらく作業道を進みますが、菅塩峠には右に入る踏み跡に入ります。入口にテープの印がありますし、最初の分岐点ですからわかりやすいと思います。快適な作業道とうってかわった薮くさい踏み跡になります。谷あいの道なのであたりも薄暗く、本当に峠道として歩かれていたのか、峠道でよく見かける道祖神や庚申塔の類いも目にしませんでした。途中、朽ちかけた橋を渡らなければいけません。私は橋に体を預ける気にはならず上流を徒渉しました。まさか盛夏の頃に登る方はいないでしょうから、秋から春に登る限りでは、多少薮がうるさくても、踏み跡はしっかりと続いているので、作業道からの分岐が見つかれば、緩い登りで菅塩峠にたどり着けるでしょう。

県道大間々太田線を太田方面に向い薮塚温泉を過ぎると、菅塩の交差点があります。左折し、東武線の踏切を渡り、北関東道(工事中)をくぐり、善養寺を過ぎると菅塩沼です。お花見のスポットだそうです。広い駐車場ときれいなトイレがあります。奥の車止めから遊歩道は始まります。沢を右にみて進んでいきます。どこにもつかない木道や登って行くと意味のない東屋(なんと二階建て)にあえる道が右に分れますが、直進です。左にやはり存在意義のない東屋が現れます。左に分れて行く道がありますが、ここも直進。植林帯を左にみて緩く登ります。道が薮に消えてゆきますが、直進。小薮を抜けてちょっと登ると菅塩峠。

先ほどの何のためにあるか分らない東屋の手前で左に分れて行く道を進むと、やはり道は薮に消えてゆきます。すぐ上に尾根が見えているので、歩きやすいところを選んで登ってゆくと菅塩峠から籾山峠に向う縦走路に出会います。天王山を周回するならこちらの方が良いかも。

菅塩峠は尾根上の峠なので、東西に踏み跡がついています。天王山には西に行く踏み跡を辿ります。急な登りで尾根に着くと、実に枝尾根に引き込まれやすくなっています。薄い踏み跡ですが、進んで行くと桐生市内の展望に恵まれた岩場があり、その先にも踏み跡があります。尾根通しに下っていけそうですが、まだ探検していません。菅塩峠から尾根に登り着いたら左折が本線です。桐生倶楽部歩く会の道標に従って進みます。唐沢山から菅塩峠までの踏み跡よりも、心持ちしっかりした踏み跡が雑木の中を通っています。
天王山の分岐の手前の枝尾根を進むと突然石祠と鳥居が現れました。石祠の裏には空の一升瓶が何本か積まれていたので、まだ信仰されている祠のようですが、鳥居から先に道があるようなないような。ここも探検しようと思っています。天王山に分岐には道標はありませんが、立ち木にテープがありました。下って行くと右から明瞭な作業道が登ってくる平地に出ます。辿ってきた道もここからは作業道にかわります。正面が天王山ですが、登って行く踏み跡がはっきりしません。雑木の中の歩きやすい場所を選んで登って行きます。僅かな登りで天王山の山頂です。四等三角点と何枚かの山名プレートがあり、展望はあまりありません。南に進む作業道を辿るとゴルフ場の縁の尾根道になります。この尾根からの展望はかなりのものです。下って行くと左に降りて行く作業道があり、進んで行くと菅塩沼が見えてきます。私道のようで出口は鎖で閉鎖されています。念のため。

2007/1/10 上記の突然現れた石祠の社名が二柱神社と判明しました。この高みが日向山のようです。菅塩峠の東に記載していた日向山の位置を訂正します。1月4日に、この辺りを彷徨されていたhisiyamaさんが偶然辿り着いたようです。師匠すみません。私は既にこの場所を知っていました。山名と社の名前を読み取ってこられたのは流石です。
2007/1/31 すずき@東毛さんの探検により菅塩峠が1/25000図より東に有ることが判明しました。概念図を訂正します。
すずき@東毛さんの飽くなき探究心と文明の利器の使用により菅塩峠の位置が判明しました。文明の利器とは、すずき@東毛さんのブログによると“「実際の菅塩峠は、2万5千分の1で示されている実線部分上にはなくて、実はもっと東に位置する」という結論に達した。ならばもう一度、菅塩峠にいってみて、この迷宮の謎を解き明かしてやるって、前々から欲しかったGPS(Garmin Foretrex101)を購入した。このGPSで得たデータを、「カシミール3D」というソフトを使うと、どこを彷徨してたのか地図上で一目瞭然。もちろん予め目標地点を設定しておけば、その方角・距離も表示される。地点登録も可能で、…”
すずき@東毛さんのブログは上州弁で綴られているので、普通の日本語に翻訳させていただきました。私は地図を持たずに山歩きをして、家に戻ってから地図にあたっています。今までの菅塩峠の位置では日向山に行く尾根が窮屈で無理やり当てはめていたのですが、おかげさまでスッキリしました。もと菅塩峠としていた地点にも尾根をこえる道が通っています。大箕山・穴山に続いての失敗ですが、地図を持たずに気ままに、道に迷ってみる歩き方が身についてしまったので、これからも手ぶらで歩くことでしょう。概念図の訂正にはすずき@東毛さんのお世話になりました。ありがとうございました。
2007/2/14 すずき@東毛さんが北金井で地元の古老に取材したところ236mピークが(西)高壷山ということが判明しました。概念図訂正します。

菅塩峠への道 菅塩沼から

菅塩峠への道 桐生市広沢町から

東屋から縦走路

菅塩峠から天王山

2007/1/24 菅塩の自然は? 
すずき@東毛さんの「上州東毛無軌道庵」に菅塩峠の古い道標と菅塩沼に建てられた新しい道標の記載があったので、見に行ってきました。北金井の遊歩道と同じです。荒れ始めた道とピカピカのほとんど意味の無い道標。「遊歩道終点500m」と書かれた二本の道標に何の意味を見い出せばよいのでしょうか。どちらも荒れ放題の遊歩道から先、道は延びています。そのうちの一本は菅塩峠です。500m先で遊歩道が終わるという情報は何のため。菅塩峠を経て桐生市広沢町に至ると書かれていれば立派な情報源になります。菅塩沼から菅塩峠へは道標に関係なく直進です。行き止まりと書かれていても峠へと道は続いています。
駐車場の舗装、ライン引き、タイヤ止めの設置、必要なのでしょうか。そんなものより案内地図を作ってくれた方がずっといいと思うのですが。無意味な東屋を左折して、遊歩道終点から尾根を登る道と広沢側へ下る道を黄色のテープで浮かび上がらせて下さった方がいます(写真上段右)。意味の無い遊歩道よりよっぽどこちらの方が。遊歩道も荒れ、周囲も荒れ、ビオトープはどうなるのでしょうか。まだビオトープがなんだかわかっていない。興味もないけど。守ろうとした菅塩の自然は?
日向山二柱神社の入口にhisiyamaさんがこっちだよと書いてきました。薮ですが、神社から菅塩沼にも下りられるそうです(写真上段中)。

inserted by FC2 system