先日、おとぎの森から茶の木畑山をめざして、茶の木畑山へは行かなかった話をアップしたところ、“あれあれ”というメールを幾つかいただきました。“あれあれ”というのは、茶の木畑峠はそこからすぐだとか、地図を持っていけとか、ひどいのは、このページの地図で朝香嶺をめざして小沼の辺りを歩いていたら間違って茶の木畑峠へ着いたとか、概ね小沼から茶の木畑山に登れないのは、なんだかなぁというあたたかい励ましのお言葉でした。だから行かなかったんですってば。茶の木畑峠方面への道はちゃんと見つかったけど、行かなかっただけですって。とまず強弁しておきます。
おかしいなぁ、あの項は“おとぎの森”の話で、茶の木畑山のことはあまり書かなかったのに、なんで茶の木畑山が見つからなかったってわかっちゃったんだろう。

と、この位にしておいて、おおさる山乃家から茶の木畑山をめざしました。国道353号線を渋川方面へ。粕川の中丿沢球場のすぐ先の十字路を右折。山乃家の派手な看板が目印です。要所要所に立てられた看板に従って進みますが、一カ所別荘地の中を通り抜ける所の看板が目立たないので要注意です。軽井沢を思わせるような木々の生い茂った別荘地を抜けると左に澳比古神社(おくひこ)の赤い鳥居が見えます。橋を渡った所が駐車場で鳥居の下には、おいしい水が湧き出ています。353号線の看板とネーミングで民間の施設だと思っていましたが、お上の経営だったんですね。着いてみれば、河原をいじったり、奇抜な橋をかけたりしていて、なるほどですね。

車を降りると何となく涼しい気がしたのは気のせいでしょうか。標高は810mだそうです。前回は(こんな風に書くと茶の木畑山をめざした過去があるようですが)高度計とコンパスを持っていましたが、半袖シャツでした。今回は高度計、コンパスはなしで、長袖シャツです。虫除けスプレーもたっぷりかけたうえ、ナップサックに入れました。カサに熊よけの鈴と万全の体制で出発です。周回コースなのでどちらから登るか決めていなかったのですが、駐車場を出ると西回りコースの標識が目に入ったので、そちらに向いました。今回に限ってはこれでよかったようです。下りの尾根道はほとんど風通しがなく、東周りで登っていたら、途中で果てていたかも知れません。おおさる山乃家、澳比古神社を右に見て登っていくと、左手に丸太の階段があります。ここが登り口で尾根をめざします。
石碑からは熊笹の気持ちのいい尾根歩きになります。けっこう急な登りになってきます。尾根が細くなり、両側が崩壊している所もあります。粕川と大猿川に挟まれた尾根なので風が通って快適です。歩き甲斐のある尾根道です。最後?の崩壊箇所で危険の看板が道を塞ぐように貼ってありましたが、通行止めと思う方がいるかも知れません。犬を連れた男性が私の後を登っていましたが、そこで引き返されたようです。ちゃんと通れます。急登の連続ですが、所々展望が開ける所があって、なんとか登り切れました。さねすり岩の傍らに蜀山人の碑が建っていました。曰く“さねすりの岩を跨ぎて紅つつじ麓の茶屋のたぼのゆもじか”。なんとも色っぽい。ここまで登ってきてオネーチャンの歌が詠めるなんて、昔の人は元気なもんだ。私は、けっこう疲れました。横引きの尾根に辿り着き、銚子の伽藍の展望台は、またの機会にゆずり、なだらかな尾根道を茶の木畑峠へ。なだらかな尾根と書きましたが、ヨロヨロ歩きました。念願の茶の木畑峠。小沼へ20分の標示。う〜ん。小沼までいったら、公共交通機関で家に帰っちゃいそうなので、これもまたの機会に。直進して、茶の木畑山に向いました。テープに導かれ、最後はコゴメツツジの中を泳ぐようにして、頂上へ。完璧な薮漕ぎでした。このコゴメツツジがまだ背の低かった頃、お茶の木に見えたので茶の木畑の名前が付いたようです。
茶の木畑峠から梨木通りを下りました。熊笹に覆われた、ほとんど緩む所のない急降下です。展望も、風もありません。夏向きではないのかも。追分で梨木通りと分かれ小峰通りに入ります。ほとんど自動的ですが。このさき岳人岩、雨宿り岩をすぎてしまうと、気を紛らしてくれるものがありません。出発点で見た水場で頭から水をかぶろう、それだけを思って下りました。今日はもうここでいい、ここの子になってしまおうと思うほどきつい下りでした。よろばうようにして辿り着いた水場で順番を譲ってくださった親子連れの方、ありがとうございました。思う存分水を浴びることができました。


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