閑中に忙を生じた中にも、また閑があるもので、まとまった時間は取れないものの気になっている山を訪れることができました。菱町の雨乞山の西側の尾根に頂上に石祠のあるピークがあります。いつ訪れても水や榊が捧げられているので、きっと名前のある山であろうと思いつつも、なかなか確かめることができませんでした。麓に友人が住んでいるのですが、山の名前には関心がないようで、山の師hisiyamaさんもご存じではありませんでした。
今回、麓で何人かの土地の人になにを祀っている石祠か、山の名前はなんというかを尋ねたところ、「山の神様を祀っている石祠で、山の神様の山だ」という答えが帰ってきました。少数意見として、「山だから名前はある筈だが、わしは知らん。桐生市の地図に載っているだろう」というものがあり、「全ての山に名前を運動」を展開している私たち楚巒山楽会のメンバーにとってそれはそれは心強いものでした。「山だから名前はある筈」なんとなんと心地よい響きでしょう。山神(様の)山だから、山神山ということで、小字として山ノ神もあるし、川内に同名の山もありますが、こんなところで良いでしょう。

アプローチは浅間山雨乞山をご覧ください。雨乞山で紹介した周回コースを逆に辿ります。
一番奥にある民家の手前に東京電力の巡視路の入口があります。民家の裏庭を掠めるような道ですが、広い道が竹林を抜けて、明るい尾根道に変わり送電塔に至ります。送電塔手前に笹薮の中を急降下していく踏み跡がありますが、埋め立て地を管理する事務所の敷地に入ってしまうので、下山路にはできません。よいこは下らないように(下る気にならないような急な道ですが)。送電塔の先で、左に緩く下る道はお勧めです。
送電塔からは平坦な尾根歩きで、露岩のある山神山の山頂に着きます。石祠は山の神様の石祠で昔は年に一度のお祭りがあったそうです。今でも地元の農家の人の信仰があるようです。榊を捧げる容器が風に飛ばされないように、しっかりと括りつけられていました。隣組の浅間山と雨乞山の展望しかありませんが、小広い頂上には露岩もちらほらあり、名前がわかると親しみが持てます。
尾根を進んでいくと水道山を経て、雨乞山の尾根と連結し、出発点に戻れます。今まで、雨乞山から登って、山神山に下山していたのですが、こちらから登る尾根の風情もなかなかのものでした。

浅間山と雨乞山しか名前の判明していなかったこの隣組ですが、残すところはあと一つ。浅間山の南の160mのピークです。前浅間とか書いてある資料を見たような気がするのですが。

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