あらやま。鍋割山とセットで語られることが多い荒山ですが(鍋割山の項で書いたね)、荒山です。山頂に浅間神社が祀られているので、浅間山とも。ここでも岩澤正作さんの文章を引用します。“小丸峠から左折して登ると、上古赤城大神の武器を藏めたと傳へてゐる荒山に至る。此の山は外輪山外に峙立し古くは小路(ヲロ)ヶ嶽と呼んだが縦訛(タテナマリ)して荒山と呼び、又淺間神社を奉祀して千眼山とも呼んだ。「毛野時報」第六号『赤城山の南山腰に存在する櫃石について』より”
前浅間の項で“まえあさま”としたいと書きましたが、これでは“まえせんげんやま”が本来の名前のようです。でも、定着するんだったら、“まえあさま”でお願いしたいところです。

軽井沢峠から関東ふれあいの道を進み上の東屋からひさし岩を経て荒山に登り、荒山高原に下り、棚上十字路から上の東屋、軽井沢峠へと周回するコースは山の様々な表情を楽しめる変化に富んだ道です。数年前、軽井沢峠から上の東屋までの間が一部大雨で崩れていましたが、当時でも通行は可能でした。

軽井沢峠から山道に入るとすぐに道標があり、牛石峠への道を分けます。ここから東屋を経て棚上十字路までの道は雑木の中を緩く登って下る道で赤城山の中でも好きな道の一つです。では、嫌いな道はどこかと聞かれると、ひじょ〜に困ります。登るのが嫌な道は幾つかありますが(例えば、小沼治山運搬道路から長七郎山に登るのは嫌いです。)、下る分には好き嫌いはないので。あ、この逆コースも嫌いだな。荒山高原から荒山の南西尾根を登るのも好きではないといっておきます。
で、「上の東屋」(避難小屋と書かれているガイドもありますが、壁がありません。四阿です。)から荒山の南東尾根を登ります。途中に「ひさし岩」。青木清さんが『赤城山花と渓谷』で“この岩は屋根のひさしから眺めているようなので、荒山の「ひさし岩」であると思う。”と書かれました。定着したようです。絶景の地です。
荒山の山頂は小広いですが、展望はあまりありません。大きな浅間様の祠と小さな祠、三角点。祠にご挨拶して南西尾根を下ります。下り始めに脚下照覧の岩場がありますが、それを過ぎると鍋割山に向って雑木と草原の気持ちの良い尾根下りです。荒山高原が公園のようになってしまったので、展望の広場あたりが寛ぐには最適の場所です。荒山高原をさっと通過して、平坦な道で棚上十字路、小沼方面に緩く登り返す(佳いみちです。)と荒山分岐の「上の東屋」です。

inserted by FC2 system