ぼうずやま。2006年10月31日に山名不祥のまま、上浅間山の項に96.2mピークの紹介として、下記を書きました。
“上浅間山のピークから田中町と借宿町を結ぶ峠まで高度を落した尾根は再び高度を増し96.2mのピークをもたげ、70.1mの八幡山まで続きます。手強い尾根で一度には縦走できないので、何度かに分けて縦走することにします。峠から96.2mのピークへは切り通し状になった斜面を登ります。尾根は薮ですが薄い踏み跡があります。無理をしてこんなところを登らなくても、峠の田中町よりにちゃんとした道がありました。頂上まで続いています。ご近所のお散歩コースになっているのでしょうか。高みがあれば、登ってみたくなるのは人情です。町中の山に道がないわけがありません。薮に入る前にしっかり確認しましょう。ピークの末端の岩場まで行くとこんもりとした丘が見えました。八幡山でしょうか。浅間山尾根の縦走を果すのはまだまだ時間がかかりそうです。このピーク名前があったら教えてください。”

古墳関係の幾つかのサイトで、96.2mピークは坊主山と判明しました。随想舎刊の『栃木の文化財』(前澤輝政著)には、“坊主山[足利市]危うし 宅地開発を阻止”の項目で、坊主山を守るために足利市民が戦った経緯が書かれています。偉いぞ足利市民、偉いぞ前澤輝政さん。それにひきかえ桐生市民ときたら。この体たらくですもの。書籍の惹句には“歴史的風土の破壊を憂う。文化財保護一筋に歩んだ著者が、学び、愛し、守り、戦った、思索と行動の軌跡。 ”とあります。前澤輝政さん、偉い。

一応、山のアプローチなど。桐生岩舟線から足利千代田線に入り、東武線の足利市駅を通り越し、シ−ベルハイツ(多分マンションかアパート)の前で右折。八雲神社の前を過ぎ、道なりに進むと、峠に至ります。峠に数台駐車可能です。

以下、おわび。坊主山から八幡山には尾根は繋がっていません。上浅間山から峠まで、尾根通しに歩けるかどうかも試していません。広い道が尾根下を通っていますので、好んで苦難を選ぶことはしませんでした。
概念図右下の33.9mのピーク、今、気になっています。公園やら、馬頭観音やらがあって、登れそうな気が。

一つだけ、前澤輝政さんに故障を。坊主山の行で、“坊主山はその後大きな変化も認められず、なお美しい山容をとどめている。”と書かれています。坊主山はモッサリとした山容で、そこが山名の由来かとも思っているわけで、美しいとまでいったら言い過ぎかと。普通の里山です。
もう一つ、借宿に神宮寺山がある(あった)そうなのですが、宅地開発の犠牲になったのかしら。ご存知の方がいたら。

2008年6月14日 浅間山と坊主山の鞍部をこえる峠道には「富士の越」という典雅な名前がついていました。田中町と借宿町を結ぶ細い車道が通っています。丘全体は山辺独立丘陵と勇ましい名前がついています。あまり車も通らないようなので、お散歩によいかも。
足利の峠を紹介するのは二つ目です。なかなか資料が手に入らないこともあり、坊主山の山名が判明してから、しばらくして富士の越の峠名を見つけました。浅間神社のある浅間山、三角点のある富士山、そして坊主山にはそれぞれ砦があったということです。

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