ふじぼうとうげ、でしょうか。ちゃんと読めないし、場所も確定されていない峠を紹介するのも乱暴な話ですが、牛石峠の下のパノラマ展望台が富士望峠とされているので、まだ調査前ですが、あえて。場所は確定されていませんが、G-Tak-netというサイトの宮城村の紹介コーナーではパノラマ展望台と富士望峠がちゃんと区別されています。
青木清さんの「赤城山花と渓谷」の『銚子の伽藍』の項には“坂を登り詰めるとわずかに平らな場所に東屋があり、「富士望峠」と記された看板が立ててある。”と書かれています。また、須田茂さんの「群馬の峠」の『赤城山地域の峠』には“※富士望峠 岩佐徹道氏の『群馬の峠』に赤城山内の峠としてこの名があげられている。牛石峠の南方四〇〇mほどのあたりではないかとされている。”という記述があります。
残念ながら、青木清さんの見た富士望峠の看板は既にありません。私見では東屋からわずかに下って尾根が二つに別れる辺りが峠として相応しいように思えます。

牛石峠と東屋に道標がつけられました。県内の高校の山岳部が設置したものです。その紹介とあわせて、牛石峠から銚子の伽藍に下るコースを紹介します。

牛石峠は赤城大胡県道(スカイボルトライン)の旧宮城村と富士見村の村境にあります。今は前橋市と富士見村の境となっています。富士見村が前橋市に合併されると境を示すものがなくなってしまい、峠がわかりにくくなるところでしたが、立派な標柱が立てられました。
クマザサの尾根を少し登ると左に大きな岩が現れます。峠名、山名の由来となった牛石岩です。徒歩で赤城山の登っていたころは大きな目印となっていたということですが、現在の県道を車で走っていると見ることができません。尾根道には日陰坂という名前がついています。緩く登った最高地点が牛石山のピーク、山と刻まれた標柱が立っています。標高1422m、当会の山名プレートがさがっています。雑木の中で展望も腰を下ろすところもありません。ピークから少し下ると富士望峠の看板があったという東屋です。牛石峠と同じ規格の道標が立てられています。残念なことに柱に牛石山と刻まれています。ピークではないのですが。東屋からまた少し下ると尾根が二つに分かれます。この地点が富士望峠だと思うのですが。右の尾根は不動の滝方面に至るのですが、今は県道に寸断されています。
左の尾根を急降下すると、道標に出会います。道標に従い左の踏み跡を進んで行くと銚子の伽藍の右岸の落ち口に至ります。粕川が岩の中に流れ落ちています。ここでは粕川はひとまたぎですが、ここを渡る勇気は持ち合わせていません。渡渉するなら上流の穏当な場所で。
道標から右にも踏み跡が伸びています。痩せ尾根を辿ると銚子の伽藍の西展望台です。伽藍の展望台といっても真下を覗き込む度胸はないので、私にとっては眺めの頗る良い、怖恐ろしい場所に過ぎません。左岸の展望台からも右岸の展望台からも銚子の伽藍を見下ろしたことはありません。キッパリ。
銚子の伽藍に降りる途中にもう一本痩せ尾根が分岐します。その先も岩の突端でキモが試される場所です。

2008/10/20 牛石山の標高、1442mです。クタビレ爺ぃさんにご指摘を受けました。訂正します。

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