山で仕事をされる方たちは、目標とする山や、その辺りで目立つ山に名前というか呼び名を付けて作業の目安としているようです。このピークにはカラスが屯していたのでしょうか。漢字で書くと短歌に詠み込めそうな趣です。

烏といえば、マイナスイメージを持つ方が多くなっているように見受けられる昨今ですが、熊野神社のお使い八咫烏や三羽がらす、童謡のカラスの赤ちゃん(海沼実)や七つの子(野口雨情)にうたわれているように、旧来は悪いイメージはなかったように思います。
山師たちも七つの子に出てくる「山の古巣」を思い浮かべていたのでしょうか。

烏といえば、どうしたって季節は秋、頃は夕暮れ。つるべ落としの秋の陽に、家路を急ぐ山師たちの上を何羽かの烏が鳴きながら過ぎてゆく。あいつらも家に帰るんだなぁ、家には子からすがいるんだろうなぁ。と、ありがちですが、こんな感じでカラスノネドになったという。

カラスといえば、カラス天狗のクラマちゃん。牛若丸の娘で寒いところでは眠くなる体質のクラマちゃんが、じぃの反対を押し切ってスキー場に出かけ露天風呂につかり続けるくだりは「うる星やつら」全34巻のはじめの頃に出てきます。

白葉峠から尾根に取付き姥穴山方面に向かいます。尾根を進み、大きな露岩にぶつかる地点で尾根を下り、急な斜面を登り切ると小広い平坦な場所に出ます。正面の尾根に取付くと姥穴山。尾根を乗っ越している踏み跡もありますが、未踏査です。
カラスノネドに行くには、左から降りてくる尾根の細い踏み跡を進みます。姥穴山が大きく見えています。登りついた露岩のせまいピークに桐生市基準点No.81があるのですが、踏み跡からやや外れた薮に隠れていますので注意して探してください。踏み跡は小俣の城山方面に続きます。

ネットでカラスを検索して初めて知ったのですが、七つの子に、七歳の子という解釈があるそうで。え〜っ、です。カラスは七歳でもまだ子でしょうか。そんなことはないでしょう。山の古巣にまぁるい目をした七羽の子ガラスがいるという歌詞で、子ガラスたちが、良い子かどうかには意見の相違が出てきても仕方がありませんが。七歳になる子ですか。長生きはしたくないものです。

inserted by FC2 system