いなり(かんとう)やま。国道293号線を足利から佐野方面に向うと樺崎の手前で左手にかわいらしい丘が目に入ります。北と南にピークがあります。すぐ登れそうです。麓を通るたびに、いつか登ってみたいものだと思っていました。まずは、北のピークの紹介です。
中島太郎さんの「北の郷物語」の第三十話に“光得寺の東側、城跡や古墳が点在する山腹の菅田稲荷神社は、正治元年(一一九九)、源姓足利氏二代義兼の勧請と伝えられ、出世や養蚕、子供の成長等の神徳で信仰を集めました。”とあります。火難除けのご利益は明治以降に加わったという伝説が残されています。

名草足利線を進み、北郷小学校の交差点を右折。名草川を高橋で渡りすぐ右の細い道に入ります。突き当たりにある赤い鳥居から菅田稲荷の参道が始まっています。駐車場は鳥居左の舗装路の先。
鳥居の前に石柱が二本たっていて左には、足利義兼公建●(読めません)舊跡、右には菅東山出世稲荷神社と刻まれています。(菅田町の東で菅東山なのでしょうか。)
苔むした石段を登っていくと、鈴の屋とでもいうのでしょうか。鈴の下げられている建物がありました。鈴は拝殿の前にあるものだと思っていましたが…。歴史を感じさせる参道と境内です。拝殿の奥の本殿は彩色された彫刻で覆われています。拝殿で手を合わせてから山に向います。いまさら出世とか、子供の成長とか縁遠いのですが、養蚕もやっていないし、取り扱い科目外かも知れませんが、いろいろお願いしておきます。

境内の奥の踏み跡を辿ります。木の祠が二つ。その前を進んでいきます。かわいい石のお狐さまに気がつかれるでしょうか。道は多少薮がかぶっていますが、はっきりとはしています。頂上近くにあるアンテナの保守用に少しは歩かれているのかも知れません。ところどころにテープも巻かれています。といっても、盛夏に歩く道ではありません。倒木も目立ちます。落葉に覆われた斜面を道を拾いながら登り、辿り着く頂上は、やや開けています。展望はありません。屋根だけ残った石祠とテレビの共同アンテナがたっています。
踏み跡が錯綜しているので、落葉期に遊びにくるには良い山です。ちょっと迷いこんで、測量用の棒が刺さっている石標を見つけました。文字も刻まれているようでした。
南のピークへの縦走を試みましたが、倒木と薮蚊の襲撃で断念しました。麓に浅間神社のあるピークなので、辿り着けたら浅間山として?紹介もできたのですが。
稲荷(菅東)山、足利百名山に選定されています。ま、いいでしょう。

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