こまるやま。「袈裟丸山に登る」楚巒山楽会会長の一言で、楚巒山楽会は折場登山口から袈裟丸山をめざします。賽の河原とその下の避難小屋までは紹介しました。賽の河原を起点として順次紹介して行く予定で、概念図を作成したのですが、会長は郡界尾根も登りたいという。あちこちの尾根から登りだして、観音山からのコースしか繋がっていない仙人ケ岳の二の舞いにならなければよいのですが。
とりあえずはここから袈裟丸山に。二子山にも登りましょう。台石山まで足を伸ばしてもいいし、塔の沢コースも辿ってみたいと思います。あとこの辺りの面白そうな沢と尾根も。郡界尾根はそのあとということで。

賽の河原から小丸山に向います。賽の河原の奥にも同じような景色が拡がっています。賽の河原を避けてこちらでお弁当を使うパーティも多いようです。雑木の林を抜けると落葉松の林に変わります。ここも好きな場所の一つです。晴れた日に限りますが、ここを最終到達地点に定めて袈裟丸山に遊びにくることもあります。
“からまつの林を過ぎて、からまつをしみじみと見き。からまつはさびしかりけり。たびゆくはさびしかりけり。”落葉松の林に入ると、ふと北原白秋を思い浮かべるのですが、落葉松の寂しさに思い至ったことがありません。山を歩いている時は、身体はつかれていても心が弾んでいます。緑の時も金色に染まった時も落葉松林は心を楽しませてくれます。から松にから松の風の音をききながら、から松の林をすぎても道は細く続いています。明るい尾根道で、ついに白秋と思いを同じうすることはできません。私の脳は概ねお天気のようです。

二子山への分岐もこの辺りです。踏み跡が錯綜していますので、目安となる道標(小丸山1.2km・賽の河原0.5km)の後ろを通ってしまうかも知れません。二子山への尾根に向う所の立木に二本の黄色のテープが巻かれていて、二子山へと書かれています。
ケルンの積まれた小ピークを過ぎ、進んで行くと左に小丸山を巻いて行く道が分岐します。折角ですから、一度巻いてから登り返します。小のつく割には小丸山、なかなかの山で、たやすくあちら側には着きません。巻かずに素直に登ればよかったという非難の声が出る前にやっと縦走路と合流しました。歩き甲斐のある道ですけどね。合流点には赤い道標があります。小丸山は突き当たって右。あら、結構な登りです。後ろからブツブツいう声が聞こえて来そうです。標高1676mは楚巒山楽会ではめったに到達することのない高さです。立派な高山です。山頂からの展望も立派なものです。足下を見ると高度感もあります。滅びかかった道標に小丸山と書いてあります。
小丸山はいつから小袈裟と呼ばれるようになったのでしょう。山と渓谷社発行の『群馬の山』2002年版は小丸山。2006年版は小丸山(小袈裟)と書かれています。私は小丸山が好きです。

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