まがっさかとうげ。峠ではありますが、仙人ケ岳から観音山へと続く尾根上のピークです。菱町一色と桐生市天神町を結ぶ山越えの道が通っていたということです。

この辺りの山林は数年前から自然環境の破壊が進み、桐生市の広報誌(2007年12月)によると“菱町生活環境保全林整備事業が完了 群馬県東部県民局では、快適な自然環境を守り、森林の公益機能を高めるため、平成14年から菱町四丁目(金葛)の市有林約54ヘクタールの整備を進め、市民が憩える場も加えてこのたび完成しました。この市有林は、菱町二・四・五丁目を結ぶ稜線を中心に広がり、尾根からは市内が一望できます。区域内では、スギ、ヒノキなどの針葉樹や、ヤマザクラ、コナラ、クリなどの広葉樹が混在し、さまざまな動植物を観察できます。また、歩道が7キロメートルにわたって整備され、菱(観音山)ハイキングコースや、仙人ヶ岳への登山道にも接続しています。ぜひご利用ください。”ということです。
重機で尾根に太い道を付け、切り、折った樹木を谷底に投げ捨てたままにしておくことが自然環境を守ることなのでしょうか。林床を伐採した木々で埋めつくすと森林の公益機能が高まるのでしょうか。利用するにしても、県道、市道沿いに案内板は立てられていません。
なことを書きながらも、作られてしまった道は、林道にしろ、歩道にしろ歩いてしまうのですが。

観音山から雨降山までの重機で削られた縦走路の酷さは雨降山の項で書きました。その時に工事中だった曲坂峠から林道西ノ入線に下る道も完成したので、今回は西ノ入林道から曲坂峠に登り一色山の手前から一色に下りました。残念なことに、といってはいけないのでしょうが、ちょっと良い道です。

駐車地は下山地に近い熊の沢橋の近くの国有地の空き地の看板前。坂下橋を渡り、東西橋を渡り、左の林道西ノ入線に入ります。小さな西ノ入橋を跨ぐとすぐ左に「桐生市菱町(金葛)歩道総合案内板がたっています。私の知っている限りでは、金葛歩道の入口は四カ所あるのですが、その中で一番人目につき難い場所にあります。はじめはきのこ栽培用の林の中の暗い道ですが、すぐに切り拓かれた歩道に出ます。沢沿いの道は山の中腹で沢を跨ぎV字形を描くように進みます。山の中腹を削って作った道なので勾配も緩やかで良い道です。開削した時に出た木々の残骸が沢を埋めています。この残骸が朽ちて沢筋がきれいになるのに何年かかるのでしょう。沢筋を見ることなく進んでいる分にはなかなかの道です。尾根を一つ越えて、曲坂峠から降りてくる尾根に取付くとほぼ一直線の急登です。幸い道幅が広いので一人でジグザグに登っていくしかありません。この道は稜線に付けられた道と違い何メートルおきかに横木が渡されていますので若干歩き易いようです。
手摺が見えてくると、曲坂峠の頂部は後僅か。頂部にも案内板が立っています。刈り払いがされ、これが結構な展望。頂部もなかなかです(残念ですが)。

曲坂峠から観音山方向に進み、最初のピークを竹山(たけやま)ということに。桐生市地名考の小友村一色の項で“竹山 竹は嶽の換字で急傾斜。山腹が急傾斜している山”とあるだけなのですが。曲坂も記述があり、“峠道の古語。中里村金葛へ行く峠道の通っている山腹”とあります。
竹山からピークをもう一つ越え、一色山との鞍部に道標があります。黒川ダム/一色ハイキングコースと書かれていますが、踏み跡程度の道です。沢まで急降下していきますが、重機で作られた道の後に歩くとほっとします。沢床に近付くと道幅はひろがり、墓地の前を通り直進すると泉龍院の前の通りに出ます。この沢の右岸の杉林の中に綺麗な踏み跡があり、今後の探検目標の一つになっています。
曲坂峠への道はおすすめです。

2008年5月2日 曲坂峠にプレート設置 曲坂峠から雨降山方面に進むと左に遊歩道が作られていました。金葛生活環境保全林の正面の入口に下る道です。入口には駐車場も作られています。明るい谷間をジグザグに下って行く、なかなか良い道です。そのさき展望のなかった東屋の前が刈り払われて、西側の展望が確保されました。名付けて“展望の丘”すごいものです。

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