みさきいなりやま。続々足利の伝説(台一雄/岩下書店)第21話「昌貞稲荷」に“丸山昌貞は修行中から近くの三崎稲荷へお参りをかかさず、かつて自殺しようとして白狐に救われた故郷の山にこれを分祀しました。(地元の人は、この山を稲荷山といっています)”とあります。
社伝によると享保7(1722)年に大前村出身で江戸幕府の御殿医になった丸山昌貞が神田三崎町(JR中央線水道橋駅近く)の三崎稲荷大明神を分祀したということです。
三崎稲荷には勧請者の名前をとった昌貞(しょうてい)稲荷の別名があります。この山も単に稲荷山ですが、他の稲荷山と区別するために三崎稲荷山としました。

稲荷山は足利百名山選定委員会による足利百名山に選定されています。百名山リストには標高は91mと書かれていました。稲荷山の南に標高94.7mの西山があります。西山の先で尾根はいったん切れ落ちていますが、再び尾根を擡げ、坂西桐生線でまた切り通されます。この尾根の間にはまだ山がありそうです。切り通された先の尾根に台山があります。台山西山は紹介済みです。それにしても、こんな狭い尾根が切り崩されずによく残ったものです。

坂西桐生線を足利方面に進み、松田川を新松田橋で渡り、切通しを下って行きます。最初の信号で左折し進んで行くと左に三崎稲荷神社の道標があります。石の古い道標の上に新しい道標が括りつけられています。道標に従って左折、左に見えてくる赤い鳥居が三崎稲荷神社です。参道の入口に駐車スペースがありますが、西幸楽荘(足利市営の施設)の広い駐車場を利用するとよいでしょう。古い道標は葉鹿、三崎稲荷神社の方向を示しています。
お稲荷さんらしい赤い鳥居を潜り、階段を登ると三崎稲荷本殿です。新しいお狐様が迎えてくれます。境内には神楽殿のようなものが。神社の後ろに聳え?ているのが稲荷山。
稲荷山には、神社本殿の左奥から登れそうですが、薮がきつそうです。空が透けて見えるので、蛮勇を奮えば山頂にとどきそうですが(三崎稲荷神社はすでに稲荷山の中腹!です)、北側の切り通しから尾根を辿るのが無難です。西山の手前のピークを稲荷山としておきます。登路は西山の項をご覧ください。

切り通しに祀られている石祠(何の神様か不明ですが)や庚申塔は今でも地元の方々に守られているようです。この道は峠越えの雰囲気を十分に味あわせてくれます。

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