かんのんやま。“観音山は、国道353の北にある標高320mの丘陵で山頂に北爪吉太夫が彫った磨崖仏があります。この岩は、赤城山の泥流によって運ばれてきた安山岩です。岩の南面の中央には千手観世音菩薩、右には不動明王、左には地蔵菩薩が線刻されています。”(新里村の文化財 1997年発行より)

国道353線は、赤城山に行くときに使う道で、関の信号の脇にある大梨子(おおなし)の磨崖仏の道標はいつも気になっていました。新里村教育委員会発行の「新里村の文化財」を手にする機会があり、大梨子の磨崖仏は観音山の山頂にあることを知りました。山であるならば登ってみなければ。

という訳で、桐生市新里町関に向いました。磨崖仏の入口は国道に面した法面の裏につけられています。入口が薮に覆われているので、これまで二の足を踏んでいたのですが、登ってみると中はきれいに整備された道が磨崖仏まで続いていました。竹林の中の道です。
磨崖仏といっても手ごろな岩に彫られたもので、大きなものを期待して行ったので、少し拍子抜け。「新里村の文化財」に掲載されていた写真からは想像のつかない小ささです。撮影者に拍手。磨崖仏はご近所の方の信仰の対象になっているようで、お酒の空き瓶が辺りにあったり、幣束(仏様ですが)が供えられていたり。
で、磨崖仏詣でが本旨ではありませんので、「新里村の文化財」には磨崖仏は山頂にあると書かれていましたが、磨崖仏のある中腹から山頂を目指します。
磨崖仏の脇から薮の中、適当に道を選んで登ってゆくと、やや開けた山頂。見下ろすと新里北小学校の校庭が。展望といったらそれだけ。尾根はゴルフ場に遮られますが、赤城山まで続いています。観音山は赤城山の裾野の一部です。
磨崖仏が彫られたのは享和年間(1802頃)、桐生市の指定文化財になっています。下段左の磨崖仏の撮影者は妻。

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