おおあな。赤城山が最後に噴火した火口の跡とか、水蒸気噴火の跡とか、大穴に関して幾つかの説があります。楚巒山楽会の趣旨からすれば、できかたを詳らかにはしません。赤城山の南面のこの場所が、どうしてこんなことになったのかについては、一緒に探検に出かけた桐生山野研究会のhisiyamaさんや桐生みどりさんからのレポートをまちましょう。
南面の開けた明るい谷です。でき方は異なりますが、圏谷(カール)の中にいるような感じを受けます。規模は小さいですが、“山の仲間の合い言葉、涸沢カールであいましょう”のカールです。奥には幻の滝(大穴の空滝)があり、青木清さんの「赤城山花と渓谷」に“空滝は大穴を取り巻く崖の一部であり、雨が降ると滝となる(粕川村室沢から見ると大雨の後に白い滝が現れ、1日もすると消えてしまう幻の滝である)。”と書かれています。雨の日に訪れてみたいところです。
荒山高原の下の十字路の辺りにある水場がこの中を流れている沢の上流になるのでしょうか。流れは一部が現れているだけですが。大穴の中には、顕著な道や踏み跡はありません。歩きやすいところを適当に選んで散策するだけで、楽しい場所です。

国道353号線を進み、三夜沢の信号を過ぎ、大穴川を新井橋で渡り右折、大穴林道に入り、林道大穴線の終点まで。終点は林道相吉鍋割線の交点になっていますが、相吉鍋割線は進入禁止になっています。駐車はこの辺りの路肩。
通行止のウマを跨いで相吉鍋割線を進み、林道がヘアピンカーブになっている所まで。この先は本格的なバリケードで、林道には車両が入れません。バリケードの手前山側に大穴のブナの標柱があります。標柱の脇の踏み跡を辿るとそれはそれは大きなブナの木。傍らの岩上にはブナを見守るかのように山神様の石祠。
石祠から先は涸沢の中や岸など気ままに散歩。炭焼釜の跡は、後日にhisiyamaさんがもう一つ発見したので、いまの所4箇所、石祠は青木さんの本によるともう一つあるようです。そんなものを見つけても、見つけなくても、歩けそうな所をただただ歩くだけで楽しいフィールドです。帰りには、ちょっと足をのばして是非うま水をご賞味。

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