雨降山〜一色山周回

*赤城山の数ある頂のうち一番登った回数が多いのは長七郎山。行程も短くここなら久方ぶりのひとり歩きでもきっと大丈夫なはず。代表幹事の記事でしっかり予習もすませました。
朝の光の中歩き始める大沼沿いの周遊道はしっとりと濡れた笹の間を現在工事中の赤城神社旧社まで続きます。まだ閉まったままの商店街を覚満淵方向へ。鹿除けの網を潜り深閑として人影も見えない覚満淵右岸をときどき霧に包まれながら鳥居峠へ抜け眺望を楽しんだ後、長七郎山への標識に従い小地蔵岳の山腹へ。”つつじの道”と名づけられたしっかり踏まれた山道をゆるゆると登ります。

この日は午後は台風余波の雨の予報で雲が速く、ときどき日が射しますがここまでの道中なぜか、廃バンガロー村に迷い込んだり、大量の鹿の糞場に立つことになったり、呆れるほどあちこち彷徨ったのでかなり時間を食い出発のときよりずいぶん影が短い。昨夜お世話になった宿の方のお話では今年は紅葉の兆しが早いそうで、来月半ばには鳥居峠から見下ろす景観もこの道も鮮やかな色に包まれるでしょう。道は南側に回り込んですぐ木製の階段になってしばし急登、息が上がります。
尾根に突き当たった所で長七郎への登山道と合流。この道を代表幹事は余り好まず下りにしか使わなかったのでこちら側から登るのは筆者は初めてですが、昔より道が練れてきて作業道っぽさが薄まり、なんといっても急な部分がないので足には嬉しい登りです。

小地蔵岳への分岐を過ぎてすぐ草つきの、左手に市街地への展望が開ける場所があり、ここは当会のお弁当場なのですが本日は真っ白な冷たいガスが巻き上がっては稜線を越えてゆくので全く何も見えません。ここから笹床の中の山道になり、夏の名残の濃い緑の笹をかき分け秋の気配の樹木を見上げながら山頂を目指します。
すぐに到達する天辺は石が積まれたケルンの間に頂上看板と三角点。ほんとうなら地蔵岳がすぐ向かいに見えて小沼の静かな青が見下ろせ、前橋方面も桐生方面も一望できる好展望の頂なのですが残念ながら今日はガスの流れを眺めるだけ。一服したら腰を上げ沼尻へのごろごろした斜面を下りましょう。

露岩の間をざりざり下り、小広くなるザレ場を二度ほど過ぎると道は樹木の間を縫うようになり、こちらを初めて下りにした筆者はガスが余り濃くなく低くを巻かなかったのを感謝。それでも降り口を探すのにちょっと迷いました。方向音痴をなんとか改善しないともっと高い山には行けないかもしれません。
鮮やかな赤土が抉れた場所を過ぎればすぐに沼尻。天気の悪い平日の午前中、誰ひとりいない小沼は鈍い雲色を写して静まり返り今にも伝説の姫が現われそうな気もします。このあたりの小径はかつてくまなく代表幹事と歩いたはずで、今回血の池かオトギの森を歩くつもりだったのですが、どの道もできたばかりのときとは様相が違い、草深くて遮断機が下りていたりするので入ってみては戻るのを繰り返しどちらにも行き着けないまま結局沼を周回して小沼の駐車場側へ。しつらえられたベンチで沼とすぐ目の前を過ぎてゆく雲を長々と眺めました。

後は車道を再び鳥居峠まで。覚満淵へ下り(ここでやっとハイキングの方と会いました)、赤とんぼが群れ飛ぶ木道を歩いてビジターセンターへ。
新蕎麦と白樺の樹液を味わって無事バスの時間に間に合いましたが、既に膝や足裏が痛いというテイタラク。こまめに歩かねば身体はあっという間に衰えますね。
これからの山が染まる季節にもう一度このあたりを歩きたいと思います。

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歩き出しの大沼湖畔
水音を聞きながらの沼周遊道
鳥居峠からの覚満淵と五輪尾根
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小地蔵岳の山腹を巻く 急傾斜には階段 小地蔵岳分岐
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笹の中の道になる 長七郎山山頂 ザレ場を下る
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小沼
再び覚満淵
木道には秋あかねがたくさん

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