富士山の見える村
                     時 沢  東

 古来十三カ国(州)から見えると謳われた富士山。その富士の名を冠したわが村が誕生したのは、明治二十二(1889)年四月でした。奇しくも十三の大字が集まっての、村のスタートでした。(現在は十四)そして、十三の大字すべてから富士山が見えると言われています。が、浅学な身、未だ確かめてはいません。
 とは言え、わが時東からも(辛うじて)見えます。否、見え出すと言った方が正解ですが…。最北端に近い赤坂からです。冬の朝方や風の強い日の夕方、秩父連山の上、東京都で一番高い雲取山の西に小さく、この時季ですから雪に輝く富士山の右の部分のみが見えます。
 JA時中の西から上がってきても分りますが、そのまま旧送電分区跡付近まで上がってくると、どうにか富士の姿となってきます。時沢小の歩道橋からも見えます。富士見郵便局・富士見温泉・西大河原、それから赤城山の各山頂と標高を稼ぐ度に富士が富士山らしい山容となって目の前に浮かんできます。
 では、年間に何日ぐらい見えるのでしょうか?この五年間で見ますと
  平成12(2000)年が 76回
    13年が     73回
    14年が     69回
    15年が     71回
 そして16年は 何と  88回見えました。
 過去に百回近くの年もありましたが、富士山が数多く見られることは嬉しいことです。
 参考ですが、平成14年と16年は、一月から十二月の全部の月に富士山が見えました。普通六・七・八月は殆ど見ることができませんから珍しいことでした。
 いよいよ夏山のシーズン。北・中央・南アルプスのどの山頂に立っても、真っ先に探すのが富士山です。赤城山で見るよりも迫力のある富士山を見られるのも、夏山登山の大きな魅力の一つです。とまれ、村から見るのも日々の楽しみになっています。

勢多郡富士見村時東の400戸の集落に配付されている地域紙の平成17年初夏号より

2006/11/3追加 平成17年の富士見回数 80回

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