ふじ山

*さて九峰巡りの三番目はふじ山。検索すれば藤山とも富士山とも表記されていますが頂上直下の鳥居には「富士浅間神社」、頂上看板は「富士山山頂」と大書されていて、四ツ又山が下仁田富士と呼ばれていたり、富士浅間山と宮室山のふたつの名を持つ山があったり、土盛り型の山が多い地形なので富士山と呼びたくなる山は確かに多い。

下仁田のジオ丼(美味でした)を後に、国道254号を鏑川に沿って富岡方面へ走れば右手に三つの急峻な頂を持つ山が見えてきます。特に三つ目の一番高い天辺はぎざぎざした鋭角で、たぶんあれは筆者には無理とため息を吐きつつ千沢の集落を目指しその麓へと。
登山口には小さな駐車スペースがあり「富士山登山口」の標識。生憎細かな雨模様になりましたがそんなの気にしないもん。湿っぽい土を踏んで薄暗い杉の間を登ります。道は大きく山肌を北側に回り込み蛇行しますがそれでもなかなか急峻。植林帯が終わり雑木になる稜線からはしっとり湿った家並、その向こうに霞むのが四ツ又山かしら。こんなお天気のこんな道も静かで好き、って筆者はどうしたことかこの頃どんな山も歩けば楽しいという博愛に満ちた心境です。

同行のおふたりに大きく遅れて息を切らせて追いつく赤い鳥居。枯葉だらけの斜面にぽつんと鮮やかな色で、ここから見上げる頂上はそれまで歩いてきた山道とは段違いの傾斜。石礫が多く雑木はまばらで細く、木の枝を杖替わりにひいひいと登り詰めます。途中、岩の多い場所にはロープが張ってあり、でも体重をお任せするにはなんだか頼りない気もします。
ようよう登り着く頂上には石祠と、立派な燈籠があり、看板の「富士山山頂」は453mと思えば晴れがまし過ぎますが、少しは嬉しい。残念ながら小枝に邪魔されて余り展望は良くありません。
ここから南東に延びる稜線を辿ればあの三つ目の鋭角の555m峰に行き着けるのかもしれませんが、ぎちぎちに混み合った地図の等高線通りの、ジェットコースターのような上下を繰り返さなければならなそう。今にもそちらに歩き出しそうなあにねこさんと桐生みどりさんをなんとか思いとどまらせて、下りは登りより尚大変、ずるっと滑ったり飛び出る岩にしがみついたりしながら、往路を戻りました。

帰って地形図を確かめると、この富士山からは稲含山までずっと稜線が続いていて、でもきっとそんなコースを歩く方はこの世には存在しないと思うわ(きっぱり)

* * *
登山口
植林帯をゆく
道は山腹を回り込む
* * *
見下ろす町並みは遠く
だんだん傾斜は急に
鳥居からは樹木も少ない
* * *
頂上看板が嬉しい
この燈籠ぐらぐらしてます
555m峰へ尾根は続く

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