天翔台(宇城市)

*2014.10.14
旅行の折にはその地の里山にひとつは登りたいと思っています。技術も体力もないので小さな山にしか行けないけれど、自分の足で歩いてみると何かしら感じるものがあって、今回は熊本県宇土半島の突端にある三角岳を目指したのですが、前日の大型台風のためか蜘蛛の巣がもの凄く、手前の天翔台で諦めました。いつものこととはいえ、ほんとに計画が全うできない悲しい運命(泣)。

熊本駅からJR三角線の終点三角駅へ。線路を渡り正面に三角岳への稜線を見ながら直進します。市役所の支所を過ぎて暫く行くと登山口の看板。未舗装の山道へ入ると緑濃い樹陰に大きな”九州自然歩道”の案内板があって、道はすぐに竹林の中の急登になります。
久々の登りに少し息を切らせばベンチがある見晴らしのいい尾根へ到着。見下ろす三角の町の向こう、海上に浮かぶ天草諸島がほんのり霞んで、午後は船であちらへ渡る予定、日本百名低山に載っている太郎丸・次郎丸はもっと奥かしら。そちらも歩く候補に入れていたのですが、バスの時間とコースが厳しそうなので断念したのでした。

尾根道は雑木の中、白い安山岩が目立つ傾斜を緩やかに登り天翔台と三角岳の分岐へ。
そしてここから蜘蛛の巣との闘いが始まりました。粘りのある糸が広々と踏まれた道一杯に張られ、中心には緑色の大きな女郎蜘蛛が鎮座。それが3〜5m置きにずっと続くのです。木の枝をぐるぐる振り回して進めばあっという間に白く糸が盛り上がり、枝を伝って蜘蛛たちはどんどん手元へやって来て、ひゃあひゃあと枝を投げ捨てては新たな枝を探します。そういや代表幹事はこんなとき用に安い透明傘を持っていて得意そうにばっと広げたっけ。
昨日は大荒れの天気で風が猛烈だったので蜘蛛たちもお腹を空かせているのでしょう。気持ちは判るとはいえ引っかかるとべたべたと気持ち悪く、まさか噛まれはしないとしても顔に蜘蛛がくっついちゃたまらない。
もうそんなに早い時間ではありませんが今日の登りの一番目が筆者なのでしょう。山はやはり誰かの後ろについて歩く方がいいとしみじみと。ようやく木立が切れて海が見えてくるまでずっと腕を振り回して、悲鳴を上げておりました。

広場のような場所を過ぎて山の突端が天翔台。山頂看板と石碑、ちゃんと三角点もあって、ここから見る天草の海は陽に照らされて静かで、小さな船が白波を立てて走っているのも長閑です。のんびりと大休止の後は来た道を戻り、分岐から三角岳方向へ。
尾根はいくらか痩せて岩も目立つ急登ですが相変わらず蜘蛛の巣と闘わねばならず、もうとても天辺まで往復する時間がないことを悟り雲竜台から泣く泣く下山しました。台風で一日潰れてしまって旅の日程がぎりぎりになったのが返す返すも残念。
また来る日まで待ってろよ、三角岳。

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三角岳
九州自然歩道案内標識
竹林の中をわしわし登る
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海!天草諸島! 雑木の中を登る 天翔台への分岐
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道はよく踏まれているが… 樹林が切れた!
こいつに泣いた
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天翔台頂上標識と石碑
三角点の向こうは天草
真中左端天翔台・奥に三角岳

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