帝釈山脈

増田 宏 

関東と東北の境を東西に延びる山脈を帝釈山脈という。地理的範囲に明確な定義はないが、一般的には山王峠以西尾瀬沼以東の栃木・福島県境を中心にした山域を指す。私はこれまで足尾山塊を対象に地域研究を行ってきたが、その延長として北に隣接する帝釈山脈西部を歩き始めた。山域の範囲として尾瀬ヶ原の南にある笠ヶ岳(2058b)を西端とし、金精峠の北にある温泉ヶ岳(2333b)を南端としたい。帝釈山脈東部については桐生から遠いので孫兵衛山(2064b)以西を活動範囲に考えている。

主な山としては黒岩山(2163b)から西に延びる赤安山(2051b)、袴腰山(2042b)、檜高山(1932b)、皿伏山(1917b)、荷鞍山(2024b)があり、黒岩山から両毛国境を南に延びる鬼怒沼山(2141b)、物見山(2113b)、燕巣山(2222b)、四郎岳(2156b)がある。水系としては鬼怒川上流、片品川上流、笠科川、小川を対象に考えている。

地質については、鬼怒川上流部から片品川上流部及び南北に延びる稜線付近には新生代第三紀の流紋岩質溶結凝灰岩が分布し、赤安山以西に赤安山・荷鞍山・檜高山・鬼怒沼以南に鬼怒沼・四郎岳・念仏平の諸火山が分布している。いずれも第三紀から第四紀の火山である。

主要な峰と沢を踏査した足尾山塊の地域研究と違って帝釈山脈では力を抜いて気軽な山行を楽しもうと思っている。

 帝釈山脈西部目次

残雪期の四郎岳 帝釈山脈東部 枯木山
積雪期の温泉ヶ岳 帝釈山脈東部 荒海山(太郎岳)
残雪期の物見山・鬼怒沼 帝釈山脈東部 明神ヶ岳
鬼怒川上流黒沢流域 赤岩沢遡行魚ノ沢下降 尾名沢から荷鞍山
小川流域湯沢 帝釈山脈東部 土倉山
笠ヶ岳 春の明神ヶ岳
笠科川上流 帝釈山・西根川本谷
奥鬼怒日光沢 オロオソロシ沢
一ノ瀬川
根羽沢流域の沢
中ノ岐川流域の沢
古図にある尾瀬周辺の山名

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