以前、八王子山脈の一等三角点峰唐沢山を紹介した際、山の師から南部の岩場に祀られている石祠が“とりでん様”と呼ばれていることを聞きました。唐沢山に城があったときに物見でもあって砦様といわれるようになり、それがとりでん様になったのかと思っています。とりでん様のある岩場から太田市の吉沢地区に下る道があり、かつては道標があり、立木に赤テープが巻かれていたのですが。

しばらく唐沢山から足が遠のいていました。ほぼ二年ぶりに訪れた唐沢山の登路は篠竹の薮に埋もれて踏み跡も怪しくなっています。稲荷神社の入口あたりに桐生倶楽部歩く会の比較的しっかりとした道標があったのですが、それも失われていました。唐沢山には石尊様の立派な石祠もありますし、一等三角点の山ですから、是非是非登っていただけるようお願いしておきます。人が歩けば歩くほど踏み跡はしっかりしますので、お近くの方は朝に昼に晩に、食前食後の登山を心がけていただければ幸いです。展望はあまりありませんが、小広い山頂はお弁当を使うのにもってこいの良い山頂です。
山頂には反丸山(新堀沢の対岸の山)と書かれた道標や桐生倶楽部歩く会の滅びかけた道標もあったのですが、見つけることができませんでした。
新しい山名標(2008と書かれていました)が二つ掲げられていましたので、まだ完全に忘れられた山にはなっていないようで、一安心。

で、東沢寺からの山道が、唐沢山ととりでん様の岩場を結ぶ尾根にぶつかります。右にいくと唐沢山。左に緩く下ると開けた岩場の上部に出ます。すぐ下に石祠。どなたが祀られているかは詳らかではありません。岩場の右に下る踏み跡があります。以前は吉沢と書かれた小さな道標があったのですが、なくなっています。尾根上を進み左の谷(といっても顕著な谷ではありません)に向かう踏み跡を辿ります。明るい谷の道が植林の中に入り抜けると作業道。左に進むと桐生太田線に出て、山際の道に入れば東沢寺に戻れます。
「群馬の山2.(てんつき)」にはこの作業道を山の方に向かうと不動の滝と呼ばれる三段の滝があると書かれているのですが、未見です。

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