でんべい山、ガッチン山とユニークな名前の山を紹介してきましたが、今回は取り敢えずあなたがチャンピオンといえる山です。足利市山前公園にその山はあります。

“どんつく山”は、公園の管理事務所で教えていただいたので間違いはないでしょう。どん詰まりの山だからかなぁ、とか思ったのですが、まず思い浮かんだのが落語の長者番付でした。上方落語ではうんつく、うんつく酒で知られていますが、江戸っ子(浪速っ子)が二人で旅をして田舎の小さな造り酒屋で、酒を買おうとすると、一駄、二駄ならともかく、一升二升なんちう酒は売れねえと断わられる。カッとした江戸っ子が“ウンつく野郎、ドウンつく野郎、大ウンつく野郎”と罵る。怒った酒屋の主人に閉めこまれ、うんつく、どんつくの意味を聞かれた江戸っ子の兄ィ分が主人の後ろに貼ってある長者番付を、うんつく番付だといって、灘の酒蔵の番頭がクビになった腹いせに、酒樽に灰を投げ入れて酒をダメにしてやろうと思ったところ、濁り酒が清酒になって、酒屋は大儲けした。運に運が付いて、うんつくのど運付くだと、主人を丸め込む。おかみさんをメウンツク、こどもをコウンツクとほめまくり、すっかりいい気になった主人から酒をせしめるというお話。 サゲは、自分だけ誉められた主人が江戸っ子二人が去っていくのを呼び止めて“江戸の人〜、あんた方も江戸にけえったら、立派なうんつくになんなせえよ〜”というのに、“べらぼうめ、おいらたちゃあ、そんなもん、でえっきれえだ”“あ〜ぁ、生まれつきの貧乏人はしょうがねぇ”チャンチャン。ご存じでない方は是非お聞きください。

どんつくは、国語辞典では「鈍つく」とあり、愚鈍なこと、愚鈍な人の意だそうです。この山が、何故どんつく山といわれるのかは、昔からそうだったということでしたので、不明なのですが、唯一無二の立派な名前だと思います。

コースは、公園の中なので、行っていただければわかると思います。途中、展望台などもあり、わりと静かな公園なので、筆者がサラリーマン時代、たまに長い昼休みをとっていたところです。
桐生坂西線を進み(どこまで桐生坂西線なのか)、ヤオコーと日帰り温泉ができた信号を左折すると山前公園にでます。管理事務所の下が駐車場です。施設の地図には展望台までの道しか書いてありませんが、舗装された遊歩道を展望台まで歩けば、尾根道の指導標があり、木の階段を登っていくと、四等三角点、点名宿があります。

里山ですから、探検してみると、他にも道はありそうです。


当時毎年行なっていた北岳合宿。ほとんどフルメンバーだが、ガスで見えない。この写真だけは修正はしていない。

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