黒檜山、駒ヶ岳、長七郎山、地蔵岳、荒山、鍋割山、鈴ケ岳を総称して赤城七峰と呼んでいます。長七郎山は既に紹介しました。赤城最高峰の黒檜山は、桐生市最高峰でもあるので、紹介する予定でいます。残りの五峰は紹介する山のリストには入っていませんでした。

地蔵岳は長七郎山と並んで、赤城山の中でも特に好きな山で、年に数度は訪れていますが、七峰の中では最後に登った山です。ロープウエイが運行されていたときには、足が向きませんでした。10年ほど前は、赤城七峰の全山登頂は果たせないだろうと思っていたものです。山歩きを再開して、ふと気付いたら、動いてないんですね、ロープウエイが。で、2年前に初めて登りました。新坂平下からとスキー場コースです。登ってみると、これがばかにいい。中でも、八丁峠からの木の階段道がお気に入りで、ただ地蔵岳に登ろうということになると決まって階段の直下に駐車します。地蔵岳の山頂に長年放置されていた、ロープウエイの駅舎と車両が撤去されたので、記録に留めておくためにこの項を作りました。

約一カ月振りの会長との山行になったので、労が少なく、実りの多い地蔵岳に行こうということになりました。併せて、篭山に山名プレートを設置し、会長の趣味の俳諧の遠い師である水原秋桜子の句碑も表敬しようという盛り沢山の山行になりました。薮をわけて篭山に登り、山名プレートを設置し、気が付いたら覚満淵に下っていました。いえ、けして道を失った訳ではありませんですよ。覚満淵から鳥居峠への道をとてもとても歩きたかったものですから。

予定としては、八丁峠から、尾根づたいに地蔵岳に登ろうとしていたのですが、入口は薮の中です。初めて知らされたのですが、会長家の家訓で一日に薮山は一つしか登れないということなので、私としてもそんな素敵な家訓に従うのは吝かではありませんので、いつもの木の階段を登りました。この階段は高さといい幅といい、他の追随を許さない登り易さ、歩き易さです。秋の花は終わりかけ、紅葉には早いという微妙な時期で、登山者も少なく、ガスが辺りを覆うと、観光地に聳える山とは思えない趣を醸し出してくれました。
道中何事もなく頂上に着くと朽ちかけていた展望台がありません。新品すぎて、風景にとけ込めないでいたお地蔵様もどこかに行ってしまわれました。錆びた赤い屋根が痛々しかったロープウエイの駅舎がなくなり、大沼が一望できます。原状が回復されたというのでしょうか。地蔵岳の北の風景、眺めが一新されました。
改めて眺めると今まで気にとめることのなかったピークが目前にあります。頂上が平で広々としていそうです。名前は分りませんが、会長が、あの山にもぜひ登るべきだというので、下山後調べたら、高天原1623mのピークでした。この概念図は高天原の紹介にも使用することでしょう。小さな変化ですが、一等三角点の標石にも起こっていました。三角の帽子がかぶせられていたのですが、取り払われていました。お地蔵様を新たに建立した時の記念碑もなくなっていました。
句碑の道はリニューアル中で5基あるうちの4基しか見ることができませんでした。改修工事が終わっても、行かないだろうなあ。

篭山から鳥居峠

地蔵岳

以前の地蔵岳山頂

 丹沢塔ノ岳 女性会員に囲まれてご満悦の代表幹事

2007/6/25 地蔵岳への新たな登路

二万五千分の1「赤城山」や富士見村発行のハイキングガイドに記載されていながら、薮に埋もれて通行不能だった登路が、刈り払いにより通行できるようになっていました。

改修された句碑の道が新坂平下までのびてきているのには気付いていたのですが、ここのところ五輪尾根などに足が向いていて、横目に見ながら通り過ぎるだけでした。楚巒山楽会の会長を迎えての山行で、天候が思わしくないので、雨が降っても傘をさして歩ける赤城の地蔵岳に登りました。会長の“オキニ”の山です。会長との山行は、2回続けて雨になりました。梅雨とはいえ、会長ってば、雨男?

句碑の道は見晴山のバス停から始まっていましたが、地蔵岳の登路と交差しているだけで、その先の地蔵岳の登路はもとのままでした。掘れた踏み跡と新しい踏み跡が交錯して、歩き難くなっています。歩いて嫌な道ではありませんが、地蔵岳の山頂を目指すだけなら、八丁峠からの30分コースの方が、歩きやすさと眺め、花の多さなどで、おすすめです。

途中で、笹の刈り払いをされた分岐に出会いました。もしかしたら、新坂平の駐車場に出る道かも。雨が本降りになって、こんな時に冒険心を出さなくても良いのですが、会長も快諾したので、入ってみます。最初だけ急に下りますが、まだ開かれて間もない道です。笹が敷かれてふかふかしています。一度右にカーブすると牧場の柵に出会い、駐車場に停められた車が見えてきます。
思った通りの道でした。新しい道というよりも、消えかかった道を復活させた道です。ありがたいことです。登りに使っても新坂平下からの岩混じりの道よりも、こちらの方が歩きやすそうです。テープが一本巻かれていただけで、道標は全くありません。富士見村のガイドブックでは、両方50分のコースとしてありますが、こちらの方が早そう(とくに下りは)です。
登るときは、駐車場の地蔵岳寄りの広い作業道があります。作業道を入るとすぐ左側に句碑があり、進んでいくと牧場の柵に突き当たります。右にとって後は刈り払いされた道を進みます。歩く人が少ないとまた失われてしまいます。折角現われた(現わしてくださった)道です。しっかりとした踏み跡になることを願います。句碑には“めざむれば 旅はあかぎの 虫しぐれ”と刻まれていたような。


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