“まえあさま”。「上州の山 花漫歩その2」(根岸晃)にテンヤ坂から前浅間に登った記述があり、振り仮名がふってありました。荒山山頂の浅間神社の石祠に対しての“前”なのでしょうか。テンヤ坂上部から左へ登り、径のない林の中の尾根をひたすら登ると頂上に達する。とあります。嘸や大変な登りだったのでしょう。

観光立村を目指している?富士見村は地蔵岳、新坂平周辺だけでなく、テンヤ坂の入口や地獄谷の入口など、あちこちに道標を立ててくれて、伝説になりつつあったスポットに光があたりました。前橋市と合併することなく、赤城山にお金を使い続けて頂きたいものです。一杯清水は既に紹介しました。軽井沢峠の駐車スペースには三途の川と湿原の道標もありますが、三途の川はオトギの森まで行くとなかなかのものですが、ここではできたての小川で、微笑ましいかぎりです。湿原は湿原だと思っていくとがっかりします。水たまりの多い空き地です。

軽井沢峠付近から前浅間への登路は、長い間封鎖されていました。先日hisiyamaさんが、ご夫婦で軽井沢峠から登ったというお話を聞き、ご同行を願い、軽井沢峠から登りました。クマザサの斜面に、薄い踏み跡があります。前浅間までほぼ一直線の登りです。まだ登る人も少ないようで、綺麗な初々しい道です。クマザサの斜面からちょっとした薮を抜けるとすぐに山頂です。樹木に覆われていますが、荒山と地蔵岳のデーンとした展望があります。荒山方面と地蔵岳方面に薄い踏み跡がのびています。荒山へは地図を見ると等高線が詰んでいるし、実際に見ても急な斜面なのでここから登るのはご勘弁願っておきますが、地蔵岳方面は緩やかな下りで、下ってゆくとテンヤ坂に出るのでしょうか。一度テンヤ坂から前浅間への登路は探ってみたいものです。
前浅間の山頂に新しい山名プレートがかかっていました。「前浅間山」と書かれています。青木清さんの本では前浅間と前浅間山と二つ使われていて統一されていません。富士見村のハイキングガイドでは前浅間になっています。ここは一つ山をつけない『前浅間』でお願いしたいと思います。山の付かない山名も数多くあります。田沼の『野峰』も「野峰山」などと書かれた表記がありますが、これも必ず『野峰』ということでお願いします。山が付かない山名に山をつけられてしまうと、何かモッサリとした印象になってしまいます。

さて、地獄谷です。八丁峠から少しスカイボルトラインを下ると右側に新しい道標が立っています。地獄谷まで250mです。広い作業道が通じています。地獄谷の入口からは赤城県道を走る車が見えます。あの辺りが一杯清水のバス停なのでしょうか。地獄谷へは、テンヤ坂から訪れた方がそれらしい感慨が湧いてくるような気がします。あまりに簡単に行けてしまうので、有り難みがありませんでした。晴れの日より、雨か曇りの方が景色には相応しいようにも思えました。天候の悪い日を選んでテンヤ坂から再訪したいと思います。幼いとはいえ、三途の川を見た後に地獄谷ではでき過ぎですし。砂防工事で道も地獄谷も様相が変わってしまったのでしょうか。大胡赤城線からのアプローチが悪かったのでしょうか。大きな感銘は受けませんでした。

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