桐生市史に記載のある物見山丘陵の最高地点です。市史に拠ると“この丘陵は現時平井町・西久方町(旧下久方村)と、宮本町(旧村松村)との間を南走してしだいに低くなり、その先端は桐生ガ岡公園・美和神社辺におわっている。最高地点は物見山の二五〇米である。この山は桐生氏時代本城の柄杓山城と、出丸の荒戸寄居(丸山)との連絡城の役目をした物見山砦のあったところである。いま砦趾の一部を存している。”とあります。
概念図には北側の経ケ峯と愛宕山も記載しました。市史の記載では荒神山丘陵としてあります。“この丘陵は本市平井町と梅田村大字上久方との間を南走し、現時天神町三丁目押出(おんだし)までおしだしている。最高地点は荒神山の二一〇米で、埋経の伝説を残している経ノ峯は南端の高地である。”ということです。

物見山は実は概念図の愛宕山ではないかという説があるので荒神山丘陵まで概念図に含めました。市史では経ケ峯が荒神山、愛宕山が経ケ峯となっています。物見山からも勿論、柄杓山や下界が見通せますが、愛宕山の方が物見の場所としては適所であるという意見です。

里に近い山なので(里山ですから)、青蓮寺の裏から薮を漕いだり、平井町の奥からもそれほど苦労することなく登ることができます。麓の八坂神社からも登路がありそうですが、まだトライしていません。概念図は一年ほど前に書いて掲載の準備をしていたのですが、『群馬移動体通信』さんの記事に頂上に小さな山名標があるという記述があり、それを確認してから紹介しようと思い延び延びになっていました。今回も確認できませんでした。風の強い場所なので失われてしまったのでしょうか。

探究心の旺盛な方は青蓮寺の裏山や平井町の奥からの道を試してみてください。ここではわかりやすい桐ヶ岡遊園地の6番駐車場からの道を紹介します。
6番駐車場は遊園地の北側、一番奥にあります。隣には駐車料金700円の民間駐車場がありますが、ほとんどガラガラです。駐車場から八坂神社の方に向かい山の方に右折します。舗装道の突き当たりは他所の家でその手前を左折。墓地の脇の広い道です。直ぐ笹薮になりますが、踏み跡があるので突破。右手に滅びた畑跡があり柵があります。行く手は先ほどより手強い笹薮ですが、かまわず突破。朽ちかけた作業道に出ます。作業道を右に進みます。倒木を踏み越え踏み越えしていくと道形が残っているので物見山と隣のオリエンテーリングのポストのあるピークとの鞍部にある切通しまで出られるのですが、ここは直ぐ左手にある朽ちかけた石段を登って行きます。左に石祠が三つ。左が山神宮(前にも書きましたが、ここは縦書きで良かった。右から宮神山とか書いてあるとこの山も宮神山にされてしまいそう。)中央は読めません。左は熊野大権現でした。石祠の先からは薮漕ぎです。薄い薮で尾根が見えていますので一頑張り。錆びた清涼飲料水の空き缶が散乱しています。尾根筋には赤テープやリボンが巻かれているので、昔昔は歩かれていた尾根なのでしょうか。尾根の最高点に達しても、薮と倒木でピークであるということが実感できるだけです。先に進むと切通しがあり下って行くと石祠の脇の石段まで戻れます。切通しを越えて行くとオリエンテーリングのポストのある第二の山頂です。こちらの方が山頂らしい山頂です。第二の山頂をなおも越えて行くと北側の展望が開けニンマリとする場所に出ます。きのこホテルを前景に根本山や野峰を望めます。この尾根は平井町と宮本町をわける尾根です。なおもなおも進んでいくと通称きのこピークやきのこホテルまで行けそうですが、今日はここまで。

具眼の士なら砦の趾を指摘できるのでしょうが、凡眼のわたくしにはどれがそうなのかわかりませんでした。

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