昔、私がまだ、登山者だった頃、中部地方や、東北地方の山のガイドブックをよく読んでいました。
そこに掲載されている、○○峠越えという見出しに心惹かれるものがあり、いくつかの峠を越え、しみじみと山の良さを味わいました。針ノ木峠、三伏峠、雁坂峠の日本三大峠を始め丸川峠、夜叉神峠、徳本峠など、もう二度と行けないような峠道を暇にあかせて辿りました。

で、大人になって、運転免許証を取り、アプローチに車を使うようになり、気付いたら峠越えのできない、不自由な身分になってしまいました。
大人になれば、何でもできると思っていたのに、お酒だって、煙草だって、あれだって、これだって。大人になって、あんなことも、こんなこともやれたのに。大人って峠越えができないんですね。

でも、頑張っていくつか峠越えをしました。まだ書く機会がないのですが、八王子丘陵の菅塩峠、これは紹介済みの黒石峠、姥沢峠、そして村松峠です。

峠道だけでなく、鞍部をめざすコースが好きで、谷なり沢なりをつめていく、右からも左からも尾根が落ちてきて登りつくと今までとは違った景色が目に飛び込む。そこに祠や庚申塔があればつい手を合せてしまう。角川の新国語辞典にはとうげは手向けが語源と書いてあります。さもありなん。

奥秩父や日本アルプスのようなスケールは望むべくもありませんが、黒石峠や菅塩峠など登りついて空が広がる所はなかなかのものです。

わが村松峠も、峠の入り口には庚申塔や石祠があったりして、昔から歩かれていたような気配があります。宮本町側から登るには吾妻公園に駐車すると峠の山道までの歩道歩きが長いので、川内釈迦堂(しゃかんど)からをお薦めします。ということは、お気付きの方がいらっしゃるかどうか、ここでいう峠越えとは登っておりて、登っておりて、という。峠って、越えちゃったら車のいる所にいくには山裾をぐる〜〜〜っと回らないと戻れないという、実に間抜けなもので。姥沢峠なんかは車道の通る籾山峠を越えないと戻れない、あ、ここもそうだ、小倉峠を越えないと。そんな方はいらっしゃるはずもないですが。

小倉峠から川内に入り、自然観察の森方面に向います。小倉会館の二叉路を右、小倉林道入口の空き地に駐車。林道を行くと右に小さな庚申塔、左に桐生工業高校山岳部がつけた村松峠への道標があります。その道標に従って次の分岐をクリアすると、一旦下って登って峠の入口まで一本道です。立ち木につけられた大きめの道標の所で小沢を渡り、後は踏み跡通り。途中何度か振り返ると川内から大間々、笠懸方面の展望があります。帰りに十分見ることができるのですが。

宮本町側からは、吾妻公園の駐車場に車を止めたら、光明寺の先を左折。御嶽神社の下を通って歩道を進みます。右手に八坂神社が見えたら、もう少し。左に観光道路をわけると舗装道が狭くなり、ダートの道になります。道が二股になり、左、峠の道標で山道に導かれます。こちらは杉林の中の沢ぞいの道でけっこう趣のある道です。

アプローチでは川内から。登りついた景色の点では宮本町からでしょうか。西の川内側の景色が良いということなのですが。尾根西側が開けるのは鳴神山方面に進んでいかないと。

参考図 小さくてすみません。別項で村松峠から縦走路を進み、萱野山の山頂を踏んで自然観察の森最高点に下り妙見信仰の石祠をみて360.2mピークの三角点を撫でて自然観察の森の入口に下るという大作を準備中なので、概念図はそちらからの流用です。

水道山は概念図の通り頂上付近まで車で登れる山です。が、水道山記念館の前にも駐車スペースがありますので、水道山、199.4mピークに徒歩で到達することができます。

御嶽神社の上の200.3mピークには、御幼少の砌、登った覚えがあるのですが、今はどうなっているのでしょうか。この山も物見山といったような。駐車場と光明寺のあたり、以前とは違っているようなので、まだ道があるのかどうか。梯子があれば登れそうな高さなので、そのうちに。

もう一つ、物見山(270m)はこの数年、桐ヶ岡公園の駐車場や、桐生市平井町から登っているのですが、確証がない。山名標、三角点の類いにお目にかかれていません。

2008/10/23 その後、物見山、御嶽神社の上の御嶽山に登りました。御嶽山は御嶽神社から登ることができます。光明寺の墓地からは登りにくくなりました。
一時、荒れていた村松沢沿いの道は歩きやすくなりました。村松沢を詰めて(といっても登山道が整備されている道ですが)沢の源頭から尾根に向かってジグザグに歩いてゆく道はお気に入りの道です。峠に辿り着いた感も雰囲気も村松沢から登った方があるように思います。残念なことに登りついた尾根はあまり鞍部のような感じはないのですが、一応は、岩木戸山(きのこピーク)と象頭山の鞍部になっています。少し鳴神山方面に進むと、西側の展望がやや開け、赤城山、榛名山、浅間山が望めます。腰を下ろすに恰好の倒木もあります。
村松峠入口の道標や沢筋の道に変化があったので、別項象頭山で改めて紹介します。

参考図の所で申し上げたコースは小分けにして紹介しています。大作主義を改め山や峠を一つ一つ紹介していくという形が定着しました。「やまの町 桐生」はコースガイドではなく、桐生の山の紹介が本務です。
いちいちリンクは貼ってありませんが、紹介ページからそれぞれの山を辿っていただけると幸いです。
水道山には遊歩道がありますが、199.4mピークには道がありません。
360.2mのピークは笹久保山です。

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