桐生山野研究会

天狗山

桐生みどり 

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足尾通見取絵図 天狗山

 白浜山から西に連なる稜線の中腹に天狗山(740b)がある。天狗山は761b標高点南西直下に突き出た岩峰で山頂部だけ檜に被われた特異な山容をしている。1807(文化4)年の「足尾通見取繪圖」には渡良瀬川寄りに天狗山、その奥に白濱山が記載されている。草木湖対岸から白浜山方面を望めば山肌の中腹に小さな岩場があって上部に黒木が生えているのが分かる。山麓にあった白浜集落がダム湖の下になり、住民がいなくなったことにより天狗山は地元でもすっかり忘れ去られてしまった。
 天狗山には、草木橋の北から廃止された採石場の旧作業道を辿り、北鞍部に出て稜線伝いに山頂に登る。山頂まで湖畔から一時間ほどで登れる。山麓の作業道脇には鳥居と石祠があり、「足尾通見取繪圖」に画かれている不動堂と思われる。山頂は天然檜で被われ、新しい御影石の大きな祠が祀られている。山頂から西に派生する尾根伝いに石祠のある場所まで下れるが、山頂直下は急斜面なので補助ザイルの携行を要する。この尾根を登りに取れば山頂直下の急斜面は立ち木を手掛りに登れるだろう。

 旧作業道起点(1時間)天狗山(50分)西尾根経由石祠

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登り口付近から天狗山 天狗山入口の祠
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南側から山頂 山頂の石祠

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