赤城山の渓谷 2

                              桐生 みどり

大猿川

大猿川は粕川の支流で旧新里村と旧粕川村の境界になっていた。今まで馴染みがなかったが、合併で桐生市と前橋市の境界になったのを機に友人二人と訪れた。この川には名前の付けられた三つの滝がある。下流から旭の滝、はね滝、大猿の滝である。

近年整備された親水公園の駐車場からはね滝(乙女の滝)まで歩道が付いている。遊歩道というほど整備されてはいないが、目印が付けられ明瞭である。1時間ほど歩き、最初の6mナメ滝を越すとはね滝に着く。落差は5、6mに過ぎないが、流水が途中から跳ね上がって噴射している。このような滝を登山界ではよくヒョングリの滝と呼ぶ。この滝は乙女の滝という意味不明の名前に改名されてしまった。滝を越える道は右に付けられている。

次の6mナメ滝を越えるとまもなく大猿の滝に付く。落差10mほどで垂直の見事な滝である。滝上に行く道はない。木の枝を手掛かりに右の斜面を登ったが、足場が悪く落口に下りられないので大きく高巻く。滝上で二俣になっており、右の支流に下り立った。この支流はすぐ上で崩壊地になっている。両沢の中間尾根に取り付き左の本流に下りた。すでに水は涸れており、稜線まで急峻なガレが続いている。

古い石積堰堤が幾つかあるが、崩壊している。ガレは不安定で崩れ易く、落石を起こさないよう注意しながら慎重に登る。ガレを登り詰め、笹を掴んで斜面を登り切ると稜線に出た。この尾根は横引き尾根と呼ばれ、道が付いている。ここから10分ほど東に登ると茶の木畑峠に着いた。峠から南に小峰通りと呼ばれる道を下り、途中の分岐を西に折れると丁度、出発点の駐車場に下りることができた。

大猿川親水公園(2時間40分)稜線(1時間20分)親水公園


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