杉ノ入山、ご存じの方はいらっしゃっらないはずです。本日命名された山です。といっても勝手に名前を付けた訳ではありません。この山は桐生市広沢町にある真言宗豊山派福厳寺が所有している山です。登る前に、ご住持に山の名前をお聞きしたのですが、特に名前がないという。点名を使うと他に広沢山があるしということで、字名の杉ノ入でといわれました。いわゆるネーミングライツというやつです。クタビレ爺ィさんのように、山名板設置セットを持っていればよいのですが、あいにく私は手ぶら登山の信奉者です。ペットボトルのお茶とデジタルカメラ、杖替わりの傘。以上が私の装備一切です。おまけにサンダルだったので、道が悪いよと心配されました。命名されたばかりの山に登れる等ということは、空前にして絶後、子々孫々にまで語り継ぐべき快挙であったのに、山名標を取り付ける術がありませんでした。

彦部家住宅を目指していって下さい。福厳寺は彦部家住宅の隣です。駐車場は山門の手前と墓地の入口にあります。入口は本堂の右奥です。素通りせずに御本尊の阿弥陀如来にご挨拶します。右の斜面の竹林の中に十八曲がりと呼ばれる登山道が作られています。

右手の植栽の後ろに石柱があります。横書きで福厳寺山と書いてあります。左からは読みません。梅田の山で山神宮と右から書いてあるのを宮神山と読まれてしまい、山の名前が宮神山となってしまいそうな場所がありますが、日本では、つい最近まで横書きも右から読んでいました。この石柱が入口です。福厳寺山 三十三 観世音大士と刻まれているのでしょうか。なんだ、福厳寺山でよかったのに。ご住持遠慮なさらなくても。
ここから竹林の中に刻まれた、ご住持が十八曲がりというジグザグの道を登ります。道が悪いと脅されて、覚悟して歩き出したのですが、よい道です。竹林を抜けると笹の薮になりますが、阿弥陀如来のご利益でしょうか注意していれば道を踏み外すことはありません。赤いテープも巻かれています。尾根に出ると左折です。凄い笹薮です。私の身長は2m30cmあるのですが、それでも埋まってしまいます。踏み跡と観世音大士と刻まれた石碑、赤テープを見失わないように進むと、尾根は左は杉林、右は雑木林となります。右からかぶって来る薮を避けながら尾根につけられた道を真直ぐ進むと尾根の屈曲部になり左に曲がります。また真直ぐに延びた尾根道を進むと、石碑と三角点のある静かな頂上に出ます。四等三角点 点名広沢です。樹木を透かしてhisiyamaさんが本日みつけた神籠石のある八王子丘陵東部の山々が望めます。以前はもっとよい道で霊場巡りをする人達も登っていたそうです。その名残りでしょうか。尾根に出る前後の笹薮を除けば、歩きやすい道です。石碑の数は数えませんでした。そこそこ展望もあり、道もそれほど悪くない、もっと登られていい山だと思いました。この薮道をそれほど悪くないと感じてしまう私は既にアルピニストから薮山徘徊派になってしまったのでしょうか。尾根は手臼山まで続いています。この辺りの薮は薄いのですが、手臼山の山頂あたりはひどい、ひどい薮だったことを覚えているので往路を戻りました。

2007/2/8 手臼山の手入れがされたので手臼山への周回が可能になりました。

2007/1/30 杉ノ入山に山名標設置。
展望を求めて、小広い山頂を歩き回ると採土場の上に出てしまいました。杉ノ入山と八王子丘陵の主脈との連絡が完全に断たれています。赤堀の多田山のように、山が完全に消えてしまわないことを祈るしかありません。静かな山頂と書きましたが、日曜日に限られるようです。土を掘る重機の音が聞こえています。

inserted by FC2 system