たかくらやま。駒見山付近からの紹介です。駒見山まではこちらこちら。『山田郡誌』に以下のように記されています。“赤芝山脈は、川内村の西北にて鳴神山脈と岐れ、川内福岡兩村界を西南に走り、川内村大字高津戸要害山に至りて盡く。長凡十二粁、新田郡笠懸村大字鹿田の鹿田山はこの餘脈なるべし。赤柴山・石尊山・駒見山・三本木山・雷電山・角山・岩久保山・要害山等之れに屬す。”この内の駒見山が高倉山で、標高は583.9mになっています。
桐生山野研究会桐原の住人さんの『赤芝山脈縦走記』では“『郡誌』に記される583.9mの標高は、三角点の標高で、地形図で見ると、山頂部は600mあることになる。また『郡誌』にみえる駒見山の山名は、川内の小字名「駒見」に因るものだと思われる。小平の人たちは「たかくら」と呼んでいるが、それは三角点のあるところをそう呼び、山頂はやはり駒見山というらしい。山頂部は細長く、北から西にかけて手入れされていない赤松が植えられ、南は雑木とつる草がのび放題で、あまり芳しいものではない。昔はクマガイソウの群生地であったと聞くが、今はその姿さえ見えない。”と記されています。

山名標柱のある駒見山から西に急降下する尾根があります。駒見峠からは駒見山に向かわずに左折します。薮の中に付けられた踏み跡を下利きり、僅かに登り返すと、山名標、山名標柱、三角点のある高倉山山頂です。駒見山とは別の山といっていいでしょう。RKさんの標高のみを記したプレートも下がっていました。展望はありませんが駒見山の山頂よりも落ち着ける山頂です。
山頂から少し尾根を下ったところに三基の石祠がありました。真中の石祠のみ石尊宮、正福寺、小平山の文字が読みとれました。高倉山は小平山とも呼ばれていたのかも知れません。左右の石祠は大天狗と小天狗であると赤芝山脈縦走記には書かれていました。“(駒見山)山頂の西端で、尾根が南と西へ分かれる。西に行けば三角点の標石があるはずだが、標石を確認した記憶がない。だが標石のかわりに、石祠を三基確認した。左右に大天狗・小天狗、中は何宮だったか定かではない。「小平山・正福寺」とも刻まれていた。今は祀る人もないようだが、三本木の集落と正福寺からここへ登拝する道があると聞く。またその途中に、石祠や不動尊があると聞いたが、確認してはいない。”正福寺から登拝する道、石祠や不動尊は是非確かめてみたいものです。

石祠からは広い尾根を下ってゆくのですが、わずかに踏み跡があります。進行方向右寄りに進んで、林道に下る細くて急な作業道の跡を発見できれば、赤錆びた小さな橋の近くに下りられて無事生還となるのですが、思慮分別のある良い大人が歩く道ではありません。作業道が見つからないと沢の左岸で立ち往生ということになりかねません。もと来た道を戻るのが賢い大人というものです。小さな鉄の橋まで下りてしまったら、車道を左にとると赤い鳥居とバス停のあるT字路にでます。また左折すると親水公園、正福寺。

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