銚子の伽藍右岸です。県道大胡赤城線を通る度に牛石峠からの登路を探していたのですが、峠で車を降りて探したらすぐ発見できました。細い踏み跡を熊笹が覆っていたので、この季節では登るときも下るときも車中からでは、見つからなかったのは当然でした。会長と茶の木畑峠から横引きの峰を通って左岸の展望台と、銚子の伽藍の落ち口へ行きましたので、山からの探索はこれでよいのかなと。今回も幸いというか残念というか、銚子の伽藍はガスの中でしたので、それほど怖い思いはしませんでした。でも怖かった。

外輪山の尾根を乗っこす形で大胡赤城線が通っています。乗っこす所が牛石峠ですが、峠の標識はありません。前橋市と富士見村の境なのでそれぞれの表札が立っています。赤城山のこんなところで前橋市の標示を見るのはちょっと違和感がありますが、合併の産物なので仕方ありません。

牛石山という呼び名は、「やまあそび」というサイトの赤城周遊の中で使われていました。地図上の1442mのピークの呼称として私も与したいと思います。ここからほんの少しですが下って東屋のある平坦地が富士望峠ということなら、あまり無理がない呼称だと思います。

牛石峠の前橋側、黄色に赤字の通行注意の大きな看板の後ろの電柱の右に踏み跡があります。明らかに尾根に付けられた道です。少し行くと峠の名前の元になった牛石が左にあります。道は緩く緩く登って行きます。この登りは日陰坂というそうです。登り付くと左に東屋があります。東屋の手前あたりを牛石山と呼びたいのですが、いかがでしょうか。東屋のところに富士望峠のプレートがあるということでしたが、見つかりませんでした。辺りはすっかり雑木に覆われて富士山は望むべくもありません。東屋の中には古びた大きな道標と道路へ243m、ガランへ428mと書かれた板がありました。同様の板が展望台とガランの分岐にもあります。

東屋を通り越して左折すると急降下が始まります。笹の中の道で大きなガマガエルがのっそりと身を避けて行きます。下り切って道が平らになるとすぐ道標があり、左、銚子の伽藍を経てつつじが峰通りに至ると書いてあります。ここまでほとんど細い尾根上に道は付けられています。伽藍の右岸展望台へは右。尾根が谷に落ちるところまで踏み跡が続いています。ガスっていてよかったような、残念なような、尾根の末端の岩上に立っても何も見えませんでした。前と右、左に足を一歩踏み出すとそこには虚空しかないという怖恐ろしさは十分にありました。写真を撮るのもそこそこに引き返しました。県道からわずか数百m入っただけで、まるで深山幽谷の気分が味わえたこのコースお薦めです。


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